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歴史映画紹介


墨攻(2006年)


A BATTLE OF WITS:墨攻/中国・日本・香港・韓国

監督:ジェイコブ・チャン

<キャスト>革離(かくり):アンディ・ラウ  巷淹中(こうえんちゅう):アン・ソンギ  梁王(りょうおう):ワン・チーウェン  逸悦(いつえつ):ファン・ビンビン  子団(しだん):ウー・チーロン  梁適(りょうてき):チェ・シウォン 他

2007年劇場公開(キュービカル・エンタテイメント=松竹)



墨攻日版預告



紀元前403年〜紀元前221年の中国の戦国時代を舞台に、墨家の天才戦術家・革離の活躍を描く。酒見賢一の原作小説を森秀樹が漫画化した作品の映画化。中国・日本・香港・韓国の合作の歴史大作。墨家は墨子(紀元前480年頃〜紀元前390年頃)を始祖とする思想家の集団で、儒教の思想を批判。兼愛・非攻などを説いた。墨子の死後、分裂したものの、大きな勢力を持っていたが、始皇帝が中国を統一して以後、歴史からその姿を消した。墨攻とは、墨守という言葉から原作者の酒見賢一氏が創作した造語。


舞台となるのは紀元前370年ごろの戦国時代の中国。大国、趙が送り込んできた猛将・巷淹中の前に梁城は落城寸前にあった。梁城は墨家に助けを求めるが、やってきたのは汚い身なりの革離ただ一人。革離は梁王に一ヶ月持ちこたえることができたなら、趙軍は撤退するよりなくなるだろうと説く。梁王は、革離に軍の指揮権を与え、城の防衛を任せることにする。いよいよ趙の軍勢が押し寄せてくる中、革離の指揮で城は守りきられた。梁城の民衆も、兵士たちにも、革離への信奉者が増えていったが、やがて、革離を排除しようとする動きも現れ始める。


墨家の思想は非戦を説いた平和主義であり、敵国に戦争の非を説いて戦争の調停につとめたというが、大国がそれを無視して軍を動かした時、墨家たちは城に乗り込んでともに戦ったという。紀元前の時代に、このような思想が存在したことに驚き。


主人公の革離は戦争のプロフェッショナルと描かれているものの、決して超人として描かれているわけではない。戦いが続けば続くほど敵も味方も大勢の人たちがは死に、自身に対する嫉妬に気づかず(あるいは気付いていたとしても)、結果それは自分に協力してくれた仲間たちや愛しい人を死に追いやることになる。


それでいて、革離自身の倫理観は極めて道徳的なもので、どっちかと言えばカタブツに描かれている。これでは戦国の時代を生き抜くのは辛いだろうなと思う反面、戦国の時代にその倫理観を持ち続けることができることは実はすごいことかもしれない。


おススメ度: 墨子の思想を映像で世の中に突きつけた素晴らしい作品。アクションは最小限にとどめ、反戦のテーマが明確になっている良作だと思う。近年の中国歴史ドラマの中では良い作品だったと思うので、おススメ度はとしている。




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