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歴史映画紹介


アンネ・フランク(2001年)


ANNE FRANK: THE WHOLE STORY./アメリカ

監督:ロバート・ドーンヘルム

<キャスト>  ベン・キングズレー  ハナ・テイラー・ゴードン  ブレンダ・ブレシン  リリ・テイラー 他

TVM


【アンネの日記】 オランダ、アムステルダム在住だった少女アンネ・フランク(1929年〜1945年)が、生前ナチスのユダヤ人狩りから逃れて潜んでいた隠れ家で書き残した日記を、彼女の死後、収容所から生きて逃れてきた父親のオットー・フランクによって出版された。1942年6月〜ナチスに捕まる1944年8月1日にかけての日記で、出版されると各国語に翻訳され世界中でベストセラーになった。


アンネの日記を残したアンネ・フランクの生涯を描いた作品。メリッサ・ミュラーの著作を基に、アンネの日記で描かれた隠れ家での生活のだけではなく、ナチスの弾圧が始まる前のオランダ、アムステルダムの生活や、収容所での凄惨な最期の姿も描かれている。他人に対して優しくて、でも甘やかされて育ったためか生意気でわがままで。現実的かと思えば夢見がちで。そんなどこにでもいる女の子が、なぜこんな酷い……たった15年で死ななければならなかったのか。ユダヤ人であるという理由で。正視に耐えない映像も多々出てくるものの、これがほんの60年前に起きた現実であることを考えると辛いながらも観るべき作品ではあるだろうし、その価値ある内容となっている。


物語は、ドイツによる侵攻が始まるまでの平穏な生活や日常が描かれる。しかし、それもドイツ人によるユダヤ人迫害がはじまり、フランク家の長女のマルゴのもとに出頭命令が来たのを機に、隠れ家に隠れ住むことにあなる。隠れ家での生活は3つの家族が同居していたが、些細なことでいがみ合ったり喧嘩になったりする日々が続く。そんな中、芽生える幼馴染との恋。いつまでも続くかのように思われたその生活も、連合軍の攻勢が激しさを増し、戦争終結の道が見え始め、フランク一家にも希望が見え始める。しかし、密告者の出現で、ゲシュタポが乗り込んできてアンネたちはつかまってしまう。事あるごとに対立していた歯科医師との分かれの抱擁の場面は印象的。そして、収容所での凄惨きわまる生活と同じように収容所に入れられた親友との再会。そして姉マルゴの死。アンネの死そのものを最終的には描いてはいないが、それからそれほど間をおかずにアンネも死亡したと考えられている。1945年3月――あと3ヶ月……戦争はもう終わりが近づいていたというのに。


アンネ役のハナ・テイラー・ゴードンの熱演が印象的。3時間、あまりに気にせずに見られたのは彼女のアンネが乗り移ったかのような好演があったからでもあったと思う。ただ、ラストで『アンネの日記』のことを「聖書の次に世界中で読まれた本」と紹介したのは一瞬苦笑した。歴史上、一番ユダヤ人を迫害したのは聖書を胸に携えたキリスト教徒たちではないか? ユダヤの聖典を重んじるユダヤ教徒たちはパレスチナで何をやっているのか……。アンネの日記は残念ながら平和のバイブルにはなってくれないのだ。


おススメ度: TVムービーで3時間の作品ながら、最後まで観られる作品だった。アンネの日記では当然描かれることのない収容所でのつらい生活なども描かれ、なぜこの少女が……と辛く感じる。内容的にも観るべき作品だろう。おススメ度はにしている。




【原作】




【アンネの日記】