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歴史映画紹介


戦場のレクイエム(2007年)


集結號:ASSEMBLY/中国

監督:フォン・シャオガン

<キャスト>  グー・ズーティ:チャン・ハンユー  チャオ・アルドウ:ドン・チャオ  ワン・ジンツン:ユエン・ウェンカン  スン・グイチン:タン・ヤン   リウ・ゾーシュイ:フー・ジュン 他

2009年劇場公開(ブロードメディア・スタジオ)



映画「戦場のレクイエム」予告



『女帝〜エンペラー〜』のフォン・シャオガン監督が、戦後中国の国共内戦の一場面を描いた実話をもとにした戦争映画。国共内戦は、中国における国民党勢力と共産党勢力の戦争であり、それは日中戦争以前から始まっていた。日中戦争中、表面上では共闘しつつも激しく対立・衝突していたが、日本の敗戦によって、共通の敵を失った両勢力は内戦を再開させていた。映画『戦場のレクイエム』の舞台となるのは、国共内戦の3大戦役の一つとされる淮海戦役(わいかいせんえき:1948年11月6日〜1949年1月10日)と、その戦場を部下を全滅させてしまいながら生き延びてしまった中隊長が生きた戦後である。


映画『戦場のレクイエム』では国共内戦の壮絶な戦闘場面から始まる。戦闘の後、共和党軍の中隊長グー・ズーティは旧炭鉱に部隊を配置するように指示された。集合ラッパが鳴れば、撤退するようにという命令だった。国民党軍との戦いの最前線。グーの部隊には苛烈な攻撃が続けられる。次々と仲間たちが倒れていく中、部下たちに集合ラッパの合図を聞いたとグーに進言がある。しかし、爆風によって聴覚が麻痺していたグーは、集合ラッパが鳴ったのか自信が持てない。撤退命令を出すことができなかったグーの中隊は遂に全滅する。


唯一生き残ったグーは、再び朝鮮戦争に従軍。グーは、自分が集合ラッパを聞き逃したせいで部隊を全滅させてしまったと自責の念に駆られていた。しかも、遺体は見つからず、部隊についての記録もなくなっており、グーの部下たちは失踪者扱いになっていた。せめて、部下たちに戦死者としての名誉を与えてほしい――。グーは、その証明のために戦うことを決意する。


ブラザーフッド(2004年)』の特撮チームやハリウッドの視覚効果チームが参加したというリアルで迫力ある戦闘場面は圧巻。しかし、話が俄然面白くなるのはグーがかつての仲間たちの名誉の回復のために奔走する後半以降だと思う(もちろん、それもあの凄惨な戦闘場面があってこそだが)。中国映画で国共内戦を描いた作品となれば、人民解放軍の勇猛さを描いた宣伝作品かと思っていたが、そういった作品ではない。自分も軍人に英雄はいらないと考える性質の人間だが、「死んだ部下たちの名誉回復のために」奔走するグーの姿に胸をうたれた。


おススメ度: 戦争の時代背景などあまり詳しく語られないため中華人民共和国成立を描いた作品としては少しおススメ度が下がる。しかし、これほどの映画が作れるのはうらやましい。おススメ度はにしている。