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歴史映画紹介


アレキサンダー(2004年)


Alexander/アメリカ

監督:オリバー・ストーン

<キャスト>  アレキサンダー:コリン・ファレル  オリンピアス:アンジェリーナ・ジョリー  フィリッポス:ヴァル・キルマー  プトレマイオス:アントニー・ホプキンス  ヘファイスティオン:ジャレッド・レトー  ロクサネ:ロザリオ・ドーソン 他

2005年劇場公開(松竹=日本ヘラルド映画)



アレキサンダー 予告編



紀元前4世紀にギリシアを統一し、ペルシア、エジプトを支配し、世界の果てを目指し、インドへと大遠征を行ったアレキサンダー大王の一代記。世界最大・最強の大国ペルシア帝国を滅ぼし、空前の大帝国を築き上げたが、その死後はその大帝国は分裂し、後のローマ帝国成立の礎となった。


あのアレキサンダーを主人公に映画を撮っているだけで個人的には◎。英雄としてのアレキサンダーではなく、人間としてのアレキサンダーに迫ろうと、描こうとしているスタンスは個人的には好感が持てる。


この作品を観ていて変革者として歴史に名を残すような人間の多くはエディクス・コンプレックスを抱えているという話を思い出した。マケドニア王として古代ギリシアの盟主となった父王フィリッポス2世と感情的で利己的で息子に対し愛情と憎悪を注ぎ込んで育てた母、オリュンピアス。アレキサンダーは両親に対し複雑な感情を抱きながら、生まれながらの王者として誇り高く成長した。後半、幾度も繰り返された、「名誉のために、栄光のために」の言葉は、父王を超えたいという感情の表れだったのではないか。ペルシアを滅ぼすことは自分でなくとも、父王であっても成し遂げたはずだ。だから自分はもっと大きな栄光を掴むのだ!


しかし、世界の果てへとへ向かう旅は10年にも及ぶ。故国マケドニアからアレキサンダーに従いついてきた兵士たちも、いつ終わるとも知れない戦いの旅に疲れ、多くの仲間を失い、故郷へ戻ることを望むようになる。更なる栄光を求めて前進を訴えるアレキサンダーの言葉は、彼らから離れ始めていた。そして、最後の戦い……アレキサンダーはついに敗れ、撤退する。しかし、アレキサンダーの戦いは終わったわけではない。アラビアへの侵攻を計画の途中、病に襲われわずか32年の人生を終える。そして、築き上げられた帝国は分裂し、アレキサンダーの血を引く人間は殺害された。


物語は40年後のアレクサンドリア市でアレキサンダーの元部下の回想という進行形式をとっている。その最後の言葉は印象的だった。「だから我々が殺した。そうしなければ、我々が彼の夢に殺されていた」 ……アレキサンダーの言う、栄光って何だったんだろう。


映画の一番の見せ場はやはり、イッソスの会戦のシーン。戦術面もしっかり描かれていて見ごたえがある。横陣を組んだ大軍同士の激突の場面は圧巻。


おススメ度: 前半はとても面白く感じたのでおススメ度はにしているが、後半以降は、侵略した征服したのオンパレードになってしまうためか、フィリッポス2世の暗殺をサスペンスのように描いてみせたりしているものの、どうにもつまらなくなくなってしまった気がする。アレキサンダーの理想が、ペルシアを滅ぼした後は侵略を正当化するための言葉でしかなくなってしまったせいだろうか。




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