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歴史映画紹介


9日目〜ヒトラーに捧げる祈り〜(2004年)


DER NEUNTE TAG/ドイツ・ルクセンブルク・チェコ

監督:フォルカー・シュレンドルフ

<キャスト>    ウルリッヒ・マテス  アウグスト・ディールヒ  ルマール・ターテ  ビビアナ・ベグロー 他

劇場未公開



Der Neunte Tag - Filmtrailer



舞台となるのは第二次世界大戦直前のヨーロッパ。実在した一人の神父をモデルに、ナチスへの抵抗か恭順か、ある過酷な決断迫られた神父の苦悩を描く。


ヒトラー率いるナチスは、教会に対しても激しい弾圧を加え、牧師たちでさえナチスに対して反抗的と見なすと容赦なく収容所送りにした。ポーランドのダッカウ収容所の中には、カトリックの神父たちのみを収容した棟があった。


主人公は、そのダッカウ収容所の中で生き地獄のごとき過酷な収容所生活を送る、ルクセンブルク人のクレーマー神父。そんな彼に突然釈放が言い渡される。釈然としないまま、ルクセンブルクまで帰る旅費を渡され、さらにゲシュタポによって妹の引っ越し先まで送られる。なぜこうなったのかの説明はなかったが、ゲシュタポは「明日、ゲシュタポ本部に出頭するように」と言い残す。


翌日、約束通り出頭したクレーマー神父を待っていたのは親衛隊のゲプハルト少尉だった。紳士的なゲプハルト少尉の態度に戸惑うクレーマー神父だったが、少尉は、この釈放はある依頼をするためだという。その依頼とは、ナチスに非協力的な大司教を説得し、ナチスに協力させること。そのために、良家の出で大司教をよく知っていたクレーマー神父に白羽の矢が立ったのだ。成功すればそのまま釈放。しかし9日間に説得に成功しなければ再び収容所に送り返される。もしも逃げれば、収容所の神父たちが虐殺される。


しかし、大司教をよく知るクレーマー神父は、大司教が容易に自分の考えを変えることはないことは知っていたし、クレーマー神父自身レジスタンスとして活動した過去があり、ナチスに協力するなど、到底あり得ないことだった。しかし、協力しなければ再びあの地獄に戻ることになる。逃げれば弟や妹夫婦、あるいは収容所の仲間が危険にさらされる。ユダになれ、と囁くゲプハルト少尉にクレーマー神父は悩み、そして――。


おススメ度: あまり期待していなかった作品だったが、意外に良作。見所はゲプハルト少尉とクレーマー神父の神学論争。苦しんだり悩んだりしたくなければ強い奴に従え、というゲプハルト少尉に対し、信念にどう向き合うかというクレーマー神父の苦悩を描いている。そして、その神学論争を通じて、ゲプハルト少尉の過去や真実が明かされていく。つまるところ、この物語の“勝者”は一体誰だったのか。比較的短い作品ながら見応えのある一本。オススメ度はBにしている。