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歴史映画紹介


シップ・オブ・ノーリターン〜グストロフ号の悲劇〜(2008年)


DIE GUSTLOFF/ドイツ

監督:ヨゼフ・フィルスマイアー

<キャスト>  カイ・ヴィージンガー   ヴァレリー・ニーハウス  ハイナー・ラウターバッハ 他

TVM


1945年ドイツ。ソ連軍の猛攻を受ける東プロイセンから傷病兵や避難民約200万人をドイツ西部へ避難させるために、海上輸送を行う「ハンニバル作戦」を実行した。ヴィルヘルム・グストロフ号も、その一隻として、ゴーテンハーフェン(現ポーランドのグディニャ)の港から軍人や避難民1万人強(公式記録では6000人強とされる)を乗せて出港。しかし、1945年1月30日。その海路上でソ連の潜水艦から魚雷を受け沈没した。生存者はわずかに1200名強。冬のバルト海に投げ出され死亡した軍人、避難民は9000名を超えたとも言われる。戦時中、連合国・枢軸国によって避難民を乗せた船が沈められたケースは多かったが、その中でも犠牲者数において最大であるという。また、この件が戦争犯罪に当たるかどうかは、現在においても議論の対象になっているとされる。


物語は、恋人同士の民間人船長と女性軍人の話を軸に、不審な動きの通信兵、船長と兄との予期せぬ再会、船に乗船しようとする人々の混乱などが描かれる。しかし、出港した船の上は決して安全な場所などではなかった。頭が固く現状認識ができないドイツの高級軍人によって、せめてもの安全策を選ぼうとする民間人船長の意見はことごとく却下され、護衛もないままに、死の航路を突き進む。しかも、不審な無線によってグストロフ号は航海灯をつけて航行する。これは、まさに敵に自分の位置を教えながら航海するも同然だった。そして迫りくる潜水艦。悲劇の時は近づいていた。


人間ドラマとしては、かなり弱く感じるものの、沈没までの様子はTVムービーとは思えない迫力になっている。TVムービーとしては結構良作の部類に入るのではないだろうか。この手の作品は、何千人も死んだという事実の前にあまり悪く書きづらいところもあるが、それを差し引いても一見の価値はあるのではないだろうかと思う。


おススメ度: 実を言うとこの悲劇を、この作品を観て初めて知った。同じ悲劇を描いた結構評価の高い作品があるようなので機会があればそちらも観てみたい。おススメ度はにしている。




【グストロフ号事件関連】