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歴史映画紹介


ロイヤル・アフェア〜愛と欲望の王宮〜(2012年)


EN KONGELIG AFFAERE/デンマーク

監督:ニコライ・アーセル

<キャスト>  ヨハン・フリードリヒ・ストルーエンセ:マッツ・ミケルセン  カロリーネ・マティルデ:アリシア・ヴィキャンデル  クリスチャン7世:ミケル・ボー・フォルスゴー 他

2013年劇場公開(アルバトロス・フィルム)



『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王室』予告編



18世紀後半のデンマーク王室最大のスキャンダルを基にした映画作品。精神を病んだデンマーク=ノルウェー王クリスチャン7世(1749年〜1808年:在位1766年〜1808年)を、主治医として信頼を得たドイツ人のヨハン・フリードリヒ・ストルーエンセが王宮を私物化していく様を、王に愛されずストルーエンセと関係を持った王妃カロリーネ・マティルデ(1751年〜1775年)の視点で描いている。アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされるなど、高い評価を得た。


啓蒙主義者だったストルーエンセは、旧来の政治体制が支配するデンマーク=ノルウェーを自らの思想を実現する場として考え、クリスチャン7世のもとで事実上の摂政として様々な改革に乗り出した。その改革は、他国において前例のある、概ねにおいて正しい方向性を示すものばかりだったが、本来長い時間をかけて行うべき改革を、あまりにも性急に推し進めたために、貴族からも平民からも不満の声が上がり、ついにクーデターによって失脚し、刑死した。しかし、これらの改革の多くはクリスチャン7世とカロリーネ王妃の息子のフレデリク6世によって推し進められた改革の土壌となった。


物語の始まりは1766年、デンマーク=ノルウェー王に即位して間もないクリスチャン7世とイギリス王の妹である15歳カロリーネ・マティルデが結婚。しかし、精神をやんでいた王との結婚生活が上手くいくはずもなく、世継ぎは生まれたものの王室の中でカロリーネは孤独を募らせていった。


そんな時にドイツで病にかかったクリスチャン7世は、現地で知り合った医師のストルーエンセを侍医として採用する。機転が利くストルーエンセは王の寵愛を勝ち取り信頼されるようになるが、彼は啓蒙主義者であり、デンマークの政治体制に批判的だった。ストルーエンセは、王に議会と戦うように焚きつけ、王を間接的・直接的に操りながら、事実上の摂政としてデンマークの内政を掌握してさまざまな改革を推し進めていく。


ストルーエンセは王宮内で孤立していたカロリーネにも接近。二人が愛人関係となるのにそれほどの時間はかからなかった。二人の間には子供まで生まれ、愛人関係は公然の秘密となっていった。これらの状況を好ましく思わなかったこれまで実権を握っていた貴族たちが反撃を開始。民衆を煽り、ストルーエンセ、そしてカロリーネを追い詰めていく。


おススメ度: とても美しい、なかなかに良質な歴史劇だったと思う。ただ、個人的には特にストルーエンセをもっとアクの強い悪役として描いてほしかったなぁと思う。基本的に作中のストルーエンセはいい人の延長線上での悪役になっている。民衆のためを思って行動してきた男が、最後は民衆の罵声の中で首を落とす最期はいたたまれないものがあるが、個人的には悪役には悪役の美学がほしいと思うタイプなので、もっと野心に満ち溢れ、自分の正義のために何もかも踏み台にして恥じないような人間のほうが好きなのではある。カロリーネと愛人関係になる経緯も、成り行きでそうなったように見えるが、自らの野望のために手練手管を駆使して落としていくような演出にしてほしかったと思う。このあたりは個人の好みにもなると思うが、おススメ度はCにしておく。