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歴史映画紹介


エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか?(2005年)


ENRON: THE SMARTEST GUYS IN THE ROOM/アメリカ

監督:アレックス・ギブニー


2006年劇場公開(ファントム・フィルム)


【エンロン事件】 総合エネルギー取引やIT関連で2000年ごろには全米屈指の大企業へと成長していたエンロン社だったが、その実態は粉飾決算や損失隠し、悪質な株価操作など社会的な非難を免れないような手段を用いてのことだった。しかし、2001年10月に不正会計の疑惑が公になり、証券取引所の調査が入ると、次々と不正が明るみに出て株価は下落。全米第7位の売上高を誇り、21000人の従業員を抱えていた大企業は、短期間で一気に崩壊した。この当時、アメリカ史上最大の企業破たんであり、政治家とのつながりも強かったため、経済にも外交にも大きな影響があった。

エンロン社の創設から始まり、やがてその経営の中に会計の不正・粉飾といった違法行為が含まれ始め、企業モラルの低下やゲーム感覚で進められているかのような企業経営は、やがて誰にも歯止めも実態の把握もできなくなり、一旦疑惑が発生すると一気に崩壊へ向かっていく。映画『エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか?』は、元社員や内部資料などをもとに、なぜこのような事態に陥ったのか、なぜこんなに、丁寧に描いたドキュメンタリー作品である。

正直なところ、映画の中で明らかにされるやり取りを見ていると、まるでSFやファンタジー世界の物語のようで現実感なく感じられてこれが実際に起こった出来事なのかと信じられなくなる。人間が実感として持てるのは自分の周りのほんのわずかな世界だけで、ここまで大規模になってしまうと現実なるものそれ自体が喪失してしまうのかもしれない。自分たち自身の手で電力供給を不安定にしておきながら、困っているお年寄りたちを嘲笑するエンロン社員たち。彼らにとっては、苦しんでいるのはファンタジー世界の住人でしかなかったのだろうか?

おススメ度内容的には複雑で一度見ただけで全貌を把握するのは難しいと思うが、是非一度見てほしい作品。金至上主義の暴走が招いた事例の一つとして、今後も研究対象とし、風化させてはならない事案だと思う。おススメ度だが、このサイトは歴史を舞台にした“娯楽”映画の紹介のサイトなのでドキュメンタリー映画はやや対象外かと思うが見るべき作品としてAをつけておく。



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