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歴史映画紹介


フロム・ヘル(2001年)


FROM HELL/アメリカ

監督:アルバート・ヒューズ

<キャスト>  フレッド・アバーライン警部:ジョニー・デップ  メアリ・ケリー:ヘザー・グレアム  ウィリアム・ガル卿:イアン・ホルムウィリアム・ガル卿  ネトレイ:ジェイソン・フレミング 他

2002年劇場公開(FOX)



From Hell [Japanese trailer ]/ フロム・ヘル【予告編】



イギリス犯罪史上に残る残酷な連続殺人事件“切り裂きジャック事件”をモデルにしたジョニー・デップ主演で映像化。ジョニー・デップは、事件を捜査するアバーライン警部を演じている。この作品の登場人物の多くは実在の人物なのだそうだ。アバーラインはアヘン中毒者で千里眼みたいな特殊能力をもった警部という特異なキャラクター。ジョニー・デップのファンの方には一見の価値がある作品。内容自体も、推理物としても、真相に近づいていく過程はなかなか楽しめた作品だったと思う。ただ、個人的には犯人をフリーメイソンとイギリス王室の意志を受けて動く殺人鬼という設定にしたために、猟奇的な面が薄まったように思う。実のところを言えば、本物の“切り裂きジャック”は、例えば『羊たちの沈黙』のハンニバル・レクターのようなキャラクターを考えていたので最後に犯人の正体が明らかになった時、意外な人物が犯人というよりも、「え? 結局こいつなのか?」という感じがあった。


物語は1888年。娼婦のメアリは、5人の仲間とホワイトチャペルで身を売ってなんとか生きていた。しかし、仲間の中から次々と犠牲者が出てくる。その事件を担当するのはアバーライン警部。2年前に妻子を失ってから心を閉ざし、アヘン窟に通う日々。そんなアバーラインだったがメアリに好意を抱き、何かと世話を焼くようになる。警官など信用できなかったメアリも、やがてアバーラインを頼るようになる。メアリから、金持ちに引き取られた娼婦の失踪事件を聞いたアバーラインは一つの仮説にたどりつく。


キャラクターとしてメアリ役のへザー・グレアムが娼婦に見えないのは気になるところ。しかし、力ある俳優たちがしっかりとした演技でこの作品を盛り上げてくれている。あんまり残酷な描写はないので、洋物のミステリーに興味がある方にもお薦めできる。


余談だが、映画の中で犯人とされたウィリアム・ガル博士は1887年に脳溢血をおこし、事件当時、体の自由が利かなかった可能性がある、とも言われる。切り裂きジャックの仮説としてより、洋物のサスペンスを楽しむつもりで観たほうがいいだろう。


おススメ度: 海外では植民地競争に勝利しある意味でイギリスが最も輝いていた時代。しかし、その裏には……アヘン窟に籠る警部やフリーメイソンなど、ある種退廃的な雰囲気を出したかったのだろうなあと思い、そしてそれは成功していると感じる。それだけでも十分良作と言ってよいのではないかと思う。その反面、「羊たちの沈黙」などに代表されるような猟奇殺人犯ものとしては、弱く感じた。おススメ度としている。




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