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歴史映画紹介


マンデラの名もなき看守(2007年)


GOODBYE BAFANA/フランス・ドイツ・ベルギー・南アフリカ

監督:ビレ・アウグスト

<キャスト>  ジェームズ・グレゴリー:ジョセフ・ファインズ  ネルソン・マンデラ:デニス・ヘイスバート  グロリア・グレゴリー:ダイアン・クルーガー 他

2008年劇場公開(ギャガ・コミュニケーションズ)



「マンデラの名もなき看守」予告編



1994年に南アフリカで初めて黒人大統領になったネルソン・マンデラ氏。彼は27年にもわたり政治犯として収容され続けた。この作品は、マンデラ氏と彼の看守として獄中で出会う白人看守、グレゴリーとの実話をもとにした社会派ドラマ。白人優位の考え方に疑問を持たなかったグレゴリーがマンデラに影響され彼の考え方に傾倒されていく姿を描く。


『マンデラの名もなき看守』が、マンデラ氏が初めて映画化を許可した作品だと聞いて少し意外に感じた。『マンデラの名もなき看守』の主人公はあくまでもグレゴリーであり、マンデラは脇役の一人にすぎない。マンデラ氏が崇高な理想を掲げて戦い抜く話ではなく、あるいは支援者から見たマンデラ氏の話でもない。主人公は白人であり、看守。そのグレゴリー氏は2003年にこの世を去っているのだとラストで紹介されている。もしかしたら、哀悼とか、そういった気持でこの作品にGOサインを出したのかもしれない、と思うと、この白人看守の存在は、マンデラ氏からグレゴリー氏が感化されたことばかりを考えてしまうが、マンデラ氏も少なからずグレゴリー氏から何かを受け取っていたのかもしれないな……なんて思ってみたりする。


ただ作品の内容は……いや、決して悪い作品ではない。10点満点なら8点くらいか。映画本編で6点とアパルトヘイトとネルソン・マンデラ氏を描いた作品ということで1点ずつプラス。……やっぱり20年もの時間を描くのに117分は短かったかなと思う。グレゴリーが徐々に感化されていく姿をもっと丁寧に描いてほしかった。


政治犯が収容されるロペス島に刑務官としてグレゴリーが赴任してくる。現地の言葉がわかるグレゴリーは、検閲官として政治犯の個人的な手紙などを扱うようになる。しかし、そこで出会ったマンデラにいつの間にか感化され、マンデラに便宜を図るようになる。しかし、彼の行為は、黒人びいきと、周囲からも妻からも非難される。刑務官をやめることを決意したグレゴリーだったが、現地語を解す貴重な人材を手放したくなかった上司は、彼に配置転換を提案し、グレゴリーもそれを受ける。しかし、それは、マンデラとの付き合いの始まりだった。


白人看守による黒人囚人に対する虐待の様子もあまり出てこないし、逆に武力闘争についてもあまり出てこない。家族愛を軸にしたさわやかな作品になっていると思うが、ちと綺麗すぎないかなんて思ってみたりする。……ネルソン氏はこの映画にそれほどかかわってはいないだろうが、黒人と白人の溝を埋めるために尽力し、民族融和を説いてきた方である。過去のことを引っ張り出して再び、対立の傷を広げたくなかったのかもしれない。もちろん、これも勝手な想像だが。現代の偉人を描くのは本当に難しいということだろうか。


おススメ度: 南アフリカ共和国で近年まで実際に行われていた人種隔離政策(アパルトヘイト)や、黒人初の南アフリカ大統領のネルソン・マンデラ氏を描いた作品ということもあり一見のある作品になっている。エンターテイメントとしては、もう少し、グレゴリー氏が変化していく様をしっかりと描いてほしかったと感じて、おススメ度はにしている。




【ネルソン・マンデラ関連】