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歴史映画紹介


ハムレット(1990年)


/アメリカ

監督:フランコ・ゼフィレッリ

<キャスト>  メル・ギブソン  グレン・クローズ  アラン・ベイツ  ポール・スコフィールド 他

1991年劇場公開(ソヴリン・ピクチャーズ=WB)



Hamlet (1990) - Trailer



ウィリアム・シェイクスピア原作の傑作悲劇。これまでにも、不朽の名作と言われる1948年のローレンス・オリヴィエが監督・主演の作品を始めとして何度も映画化されているし、チャン・ツィイー主演の『女帝〜エンペラー〜(2006年)』や黒澤明監督の『悪い奴ほどよく眠る(1960年)』などモチーフにされた作品も多い。


メル・ギブソン主演の今作は、多少の変更は加えられているものの、原作にそれなりに忠実に作られているように感じた。意外にメル・ギブソンのハムレットははまっていると思ったものの、小説を読むのと映像化されたのを見るのはこれほど違うのか、という風に感じた。ただ、名作の誉れ高い1948年版や、それを凌ぐとさえいわれた1964年のソ連版など、映像化されたハムレットはこれまで手を出したことがなく、ハムレットの映像作品はこれが初めてだったので、あくまでもこの作品の感想になってしまうが。


舞台は12世紀のデンマーク。主人公のハムレットは父王のハムレットを失い、父の弟で王位を継いだクローディアスと早々に結婚した母のガートルードに失望を覚えていた。そんな折、父の幽霊が夜な夜な城壁を彷徨っているという話を親友のホレイショーから聞き、ハムレットは会いに行く。そこで、父王の亡霊からクローディアスによる謀殺であることを告げられる。復讐を誓い狂気を装うハムレットは、ついにクローディアスの父王殺しの確証を得る。


しかし、父の死の真相を暴こうとやっきになるハムレットは恋人だったオフィーリアを捨て、さらにはオフィーリアの父親のボローニアスを殺害してしまう。このことをきっかけにオフィーリアは狂い、小川で溺死する。ハムレットによって父親と妹を失ったレアティーズは、復讐を誓いハムレットに決闘を申し込む。クローディアスはハムレットを殺すために毒酒を用意し、レアティーズは剣に毒を塗って待ち構えていた。そして、悲劇はクライマックスへと突き進んでいく。


繊細なイメージのあったハムレットがずいぶんガタイ良く、ガートルードはずいぶん豪快だったなあ、という印象。ヘレナ・ボナム=カーターの演じていたオフィーリアはまさに悲劇のヒロインそのもの。一番の悪役のはずのクローディアスがそんなに悪い奴には思えなかった。……というよりも、夫が死んでわずか一月にもかかわらずはしゃぎまくるガートルードの姿にハムレットが殺意を覚えるのも無理からぬこと。この作品を見ていると彼女の状況認識能力のなさこそが最大の不幸のようにも思えてくる。


おススメ度: ハムレットはいろいろな解釈のなされている作品なので、キャラクターについてはとやかく書かないものの……。個人的に、ガートルードの早々の再婚の目的はハムレットの王位継承権を残し、クローディアスからハムレットを守るためだと思っていたが、この作品の中のガートルードはただの呑気なオバサンのように思えた。もう少し掘り下げて描いてほしかったと思う。おススメ度はにしている。




【原作】