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歴史映画紹介


トロイのヘレン(1955年)


Helen of Troy/アメリカ

監督:ロバート・ワイズ

<キャスト>   ヘレン:ロッサナ・ポデスタ  パリス:ジャック・セルナス  プライアム王:サー・セドリック・ハードウィック  メネラウス:ナイアル・マクギニス  アキレス:スタンリー・ベイカー  へクター:ハリー・アンドリュース 他

1956年劇場公開(WB)



Helen Of Troy Trailer (1956)



このサイトの中でも、トロイア戦争がらみの映画はいくつか紹介している。今のところ2004年の映画『トロイ』と2003年のTVドラマの『トロイ・ザ・ウォーズ』の2本。もともとギリシア神話の壮大な物語が元になった映画、前者はギリシア連合の英雄アキレスを中心にした古代史戦争映画、後者は、神話の要素を大いに取り入れた歴史ドラマ、そしてこのページで紹介している1955年の映画『トロイのヘレン(DVDのタイトルは『ヘレン・オブ・トロイ』)』は神話としての要素は排除し、トロイとギリシアの戦争をパリスとヘレンのラブストーリーを中心に描くいている、それぞれの特色がある映画になっていて面白い。


物語の舞台となるのは今から3000年前のトロイ。当時ヘレスポントと呼ばれた海峡は、東方との唯一の交易路としてトロイに繁栄をもたらしていたが、そのためにギリシア諸国の侵略の脅威にもさらされていた。そのため、トロイは頑丈な城壁を築き敵の侵略に備えていた。


トロイの王子パリスは和平交渉し交易を結ぼうとギリシアのスパルタに赴くことにした。しかし、パリスの姉のカッサンドラはこれに強く反対した。彼女は未来を見通すことができ、未来に起こるであろう不吉な影に気づいていたのだ。しかし、それは彼女が心を病んでいるからだと思われていた。カッサンドラの忠告を聞かず、スパルタへと船を出したパリスだったが、航海の途中で船は難破。浜辺にうちあげられたパリスを介抱したのがスパルタの王妃へレンだった。


何もせずに立ち去るようにという忠告するヘレンだったが、パリスはスパルタ王メネラオスの元に向かう。メネラオスの元には、兄でミュケナイの王アガメムノンやイタケの王ユリシーズ、英雄アキレウスなどが顔をそろえていた。パリスは堂々と乗り込み、和平の話し合いに来たことを告げる。メネラオスは身分の証明をするあらゆるものを失ったというパリスを嘲り、スパルタの英雄アイアスと拳闘で勝負し勝ったなら、パリスと認めて和平に応じることにした。戦いはパリスの勝利に終わる。この時、メネラオスは気づいていた。その様子を見ていた自分の妻へレンのパリスを見つめる瞳に。それに嫉妬したメネラオスはパリスを監禁して拷問をかけようとするが、それを救ったのもヘレンだった。その結果、スパルタ兵に追われることになったパリスとヘレンはトロイへと逃れる。歓迎で迎えられた2人だったが、カッサンドラが問う。「あなたの名前は何?」 そしてヘレンとパリスを追って、メネラオスを筆頭にミュケナイ王アガメムノンをはじめとしてギリシアの同盟者たちが繰り出してきた大船団がトロイに迫る。


普通に描くと、非があるのはパリスとヘレンである。いかに、ギリシアが最初からトロイを狙っていたという複線を入れようとも、公の人間として取ってはならない行動をとってギリシアに格好の口実を与えたことに違いは無い。メネラオスをいかに悪辣な人間として描こうと、ギリシアをいくら非道に描こうと、そこに何かの違和感が残るの当然に思う。


おススメ度: 個人的には先に紹介している2本のほうがおすすめ。決して悪い映画ではないし、1950年代のハリウッドの歴史大作の1本として、非常に型どおりの映画という印象を受けた。そういった時代の雰囲気はあったと思うし、大量のエキストラを動員したスペクタクルシーンなどもあるにはあるにせよ……同年代の大作歴史劇と比べても見劣りするなという印象を受けた。おススメ度は先に紹介した2本より1つ下げてにしている。




【トロイア戦争】