TURNING☆POINT〜世界史(西洋史)を舞台にした歴史映画・DVD紹介のサイト〜


カスタム検索


歴史映画紹介


聯合艦隊司令長官 山本五十六 -太平洋戦争70年目の真実-(2011年)


日本

監督:成島出

<キャスト>  山本五十六:役所広司  真藤利一:玉木宏  米内光政:柄本明  井上成美:柳葉敏郎  山口多聞:阿部寛  三宅義勇:吉田栄作 他

2011年劇場公開(東映)



映画『聯合艦隊司令長官 山本五十六』公式サイト12月23日(金・祝)より全国ロドショ



【山本五十六(1884年〜1943年)】 太平洋戦争開戦時の連合艦隊司令官(第26代、27代)。真珠湾攻撃を立案し成功に導くなど、初期の日本軍の快進撃により英雄と称されるが、欧米事情に詳しかった本人は対米戦や、ドイツ・イタリアとの同盟に断固反対の姿勢を取っていた。海軍次官から連合艦隊司令官への移動は、強硬派からの風当たりが強くなっていた山本の身を守るために、米内海軍大臣の計らいだったとされる。本人は海軍省内に残ることを強く希望していたとされ、もしも山本が海軍大臣、海軍次官などの形で軍政に関与していたならば、この国の歴史は変わっていたかもしれない。また、航空機の有用性に早くから目をつけ、人材の育成に努め、真珠湾攻撃を成功に導いた名将という評価がある反面、真珠湾戦後の艦隊運用の失敗でアメリカ海軍に衝撃から立ち直らせる時間を与えるなど、凡将以下という評価も根強い。1943年4月18日、南方の前線視察の最中、日本軍の暗号解読によって山本の行動を完全に把握していたアメリカ陸軍航空隊によって撃墜させられ、戦死した。その死は、約1ヶ月の間国民に知らされなかった。


日中戦争、満州国建立など中国大陸への日本軍の活動は、欧米列強との権益の衝突へと結びつく。国内では欧米との一戦やむなしという陸軍と慎重派の海軍との間で一触触発の状況が起こりつつあった。マスコミも世論も、開戦やむなし、むしろ欧米列強に目に物を見せてやれと、戦争にむけて突き進んでいた。映画『聯合艦隊司令長官 山本五十六 -太平洋戦争70年目の真実-』はそんな時代に、欧米と戦うことの愚を百も承知し、事あるごとに訴えていながら、日米開戦において真珠湾攻撃の作戦立案をせざるを得なくなり、英雄と祭り上げられながら、敗戦へと突き進んでいく祖国に苦悩する山本五十六の姿が描かれている。


この映画は“史実”に“忠実”に描かれた映画だという。しかし、何をもって“史実”と呼ぶのか、何をもって“忠実”であるというのか。山本五十六という人物に関しては、戦時中の真珠湾攻撃の英雄という評価や後世のフィクション作家の手によって描かれた虚像により、その真実の姿が見えにくくなっている面はあるだろう。そういう見方をしてしまったせいか、どうも綺麗事にすぎる映画と感じた。少なくとも主戦派=陸軍、非戦派=海軍の構図に関しては納得いかない部分があるし、ミッドウェー以降の海軍の情報隠ぺいの姿勢は、どう批判されたとしても仕方がないところだろう。


おススメ度:やや山本五十六という人物を美化している感はあるものの、伝記映画として、また太平洋戦争直前から前期にかけて、根拠のない好戦的雰囲気も上手く描かれていると思う。おススメ度はBにしている。




【関連商品】