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歴史映画紹介


ジャンヌ・ダーク(1948年)


Joan of Arc/アメリカ

監督:ヴィクター・フレミング

<キャスト>  イングリッド・バーグマン  ホセ・ファーラー  フランシス・L・サリヴァン  ウォード・ボンド 他

1950年劇場公開(セントラル)


名優イングリッド・バーグマンが、こだわった作品が、“凱旋門”と百年戦争の英雄“ジャンヌ・ダルク”だったという。この作品は、“風とともに去りぬ”のヴィクター・フレミングを監督に迎え、スケールの大きな作品だったが、結果的に高い評価は得られなかった。イングリッド・バーグマンのジャンヌへのこだわりは、その後『火刑台上のジャンヌ・ダルク(1954年)』で全く違うジャンヌ・ダルクを描くことになる。


オリジナルでは145分だったらしいが、見たのは100分間に短縮されたものだった。それでも、全体的にだらだっとした印象は否めない。ジャンヌが表舞台にいたのはわずか2年。最初の1年は戦場で、残りの1年は牢獄の中だった。その間に描くべき場面はあまりに多い。いくら没落寸前とはいえ、シャルル七世に会うことだけでも至難だし、そこからさらに兵を借りるだけの信頼を得なければならない。オルレアンを解放し、ランスでシャルル七世に戴冠をさせることに成功した。魔女裁判の場面も決して手を抜けない。ジャンヌの行動原理のすべては神の声によるものであり、魔女裁判で彼女の信じていたものの否定がなされなければならないからだ。その全てを2時間あまりの映画の中に詰め込もうとすると、どうしてもバランスの悪い映画になってしまうのかもしれない。


イングリッド・バーグマンが、ジャンヌ・ダルクにこだわったのは分かるが、それでも、当時は既に30代のイングリッド・バーグマンに19歳の少女を演じるのはかなり難しく思う。どうしても違和感が大きい。もっと華奢な女性の方が、ジャンヌ向きではある(実際のジャンヌは大柄な女性だったらしいが)。


どのジャンヌ作品でもそうだが身勝手で理不尽な権力者と、純粋で敬虔な少女という構図は崩れない。この作品でも、その構図は生きていて、視聴者は権力者への怒りを感じ、ジャンヌの火刑の場面に涙するわけだが……。残念ながら、イングリッド・バーグマンの、言葉は悪いが白々しい神への言葉が妙にむなしく感じる作品だった。


おススメ度: 残念ながら、この映画は失敗作だと思っている。実際完成作を見たイングリッド・バーグマンも不満そうだったという。描かれているのは“聖女”としてのジャンヌ像であり、ごく一般的なイメージによるものなのではないだろうか。歴史に興味を持つための歴史映画としてはそう悪いものではないと思うので、おススメ度はとしている。




【ジャンヌ・ダルク関係】