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歴史映画紹介


マスター・アンド・ウォリアー 前編・後編(1995年)


Kidnapped/アメリカ

監督:アイヴァン・パッサー

<キャスト>  デヴィット:ブライアン・マッカー
ディー  アラン:アーマント・アサンテ  リー
ド:マイケル・キッチン  メアリー:アントイン・
ハイン  ジェームズ:ブライアン・マクグラス 他

TVM


英国冒険文学の父、スティーブンソン原作。18世紀、イングランドに併合された直後のスコットランドを舞台に、生き方も考え方も違う、二人の男を中心に、揺れ動く時代を描いている。


イングランドによって併合され、事実上独立国としての体裁を失ったスコットランド。しかし、かつての王朝であるスチュワート家に、いまなお忠誠を誓う人々も大勢いいた。彼らの多くは高地に住んでおり、高地民族(ハイランダー)と呼ばれた。イングランドに迎合し、ジョージ国王を受け入れたのは低地民族(ローランダー)たちだった。両者の対立は内戦に発展し、多くの血が流れた。もちろん、裏にはイングランド政府の策謀があった。イングランド政府もハイランダーたちを屈服させるためにあの手この手を使ってくる。その中でも、イングランドから派遣されてきた行政官、リードは冷酷で知られた男だった。


ハイランダーのアランは、スチュワート王朝再興を目指し、今なお戦い続けている男だった。ハイランダーたちはわずかな収入の中から、イングランドへ税を払い、さらにフランスにいるスチュワート家にも税を支払い続けていた。アランはその金をフランスに届ける大役を担っていた。しかし、霧の中、間違った船に乗り込んでしまう。その船に乗り合わせていたのが若いローランダー、デヴィットだった。彼は、争いを好まず平穏に生きることを望んでいたが、実の叔父に騙され、奴隷として売り払われるためにこの船に放り込まれたのだった。船員たちはアランを殺して金を奪う計画をたてていた。そのことを知ったデヴィットはアランに忠告し、共に戦うことを約束する。


アランは歴戦の戦士だけあって強かった。アランを襲おうとした船員たちは多くが負傷し、船はアランの指揮下に入ることになった。デヴィットはアランの強さに敬意を抱き、アランはデヴィットの誠実さを信頼する。友情に結ばれた二人だったが、突然の嵐に船が沈没し、二人は海に投げ出された。アランが、かろうじて、スコットランドの海岸に流されたとき、デヴィットの姿はどこにもなかった。


もちろん、このあと二人は再開し、リードの卑劣な罠と戦うために、行動を共にするようになるのだけど、ハイランダーとローランダーの考え方の違いや意見の違いで対立する場面が多い。しかし、本当に重要な……デヴィットが、未だスチュワート家に忠誠を誓うアランの信義に対し、「あんたの信義はもう古いんだ! スコットランドはジョージを選んだ。チャールズはスコットランドに何をしてくれた? 混乱と内戦だけじゃないか! そもそもチャールズはスコットランドの生まれじゃない」うろ覚えで書いているので、実際にはもっと長い台詞だったと思うが……そう、アランに詰め寄るシーンがある。アランが何も言い返さずに沈黙してしまったのは残念だった。ちょっと気に入らないのはパッケージにあれだけ堂々と帆船を描いておきながら、帆船が出てくるのはせいぜい前編の半分くらい。後編にいたっては全く出てこない。パッケージだけ見て購入したら、海洋映画か何かと勘違いされるんじゃないかな。


おススメ度: 積極的におススメはしないものの、スコットランドの風景などはとてもきれいな作品。話の流れは王道的で、田舎の純朴な青年が勇敢な戦士と出会い、時に協力し、時に衝突しながら、友情を築いていく。前半の謎や伏線が収束していき、クライマックスは溜飲が下がる。これは原作勝ちということだろう。スコットランドという一つの“国”が併合という形で消えていった時代と併せて、おススメ度はにしている。




【原作】