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歴史映画紹介


さよなら、アドルフ(2012年)


日本

監督: ケイト・ショートランド

<キャスト>    ローレ:ザスキア・ローゼンダール  トーマス:カイ・マリーナ  リーゼル:ネーレ・トゥレプス  ローレの母:ウルシーナ・ラルディ  ローレの父:ハンス=ヨヘン・ヴァークナー 他

2014年劇場公開(キノフィルムズ)



映画『さよなら、アドルフ』予告編



1945年4月30日に、ナチス・ドイツの国家元首であったアドルフ・ヒトラーが自害。連合国軍と交戦していた各軍団は次々と降伏し、6月5日、連合国軍によってベルリン宣言が発令された。これにより、ドイツの中央政府が消滅したことと、米英仏ソによりドイツの占領統治が始まったことが発表された。ドイツとの交戦で被害がもっとも甚大だったソ連は賠償を優先することを望んだが、米英は経済の復興を優先することを主張。その反目は米英統治地域とソ連統治地域とのドイツの東西分裂のきっかけとなった。……が、そのあたりの話は、この映画『さよなら、アドルフ』の主題ではない。


本作では、主人公の少女を通して、崩壊した国家、敵――それは連合国軍の兵士ばかりではない――に囲まれ、助けてくれる者はおらず、今までの価値観は全てひっくり返されてしまった状況、その中で生きようとする姿を描いている。少女の成長の物語……しかし、そこにあるのは年齢相応の健全な成長ではない。今まで自分が信じていた特権階級としての地位や民族としての誇りが、現実の無力さの中でガラガラと崩れていく残酷さ。第二次世界大戦ものでナチス崩壊後のドイツを描いた作品を寡聞にしてあまり知らないが、敗戦という現実をしっかりと描いた作品だったと思う。


1945年春。ドイツは連合軍が制圧しつつあり、第二次世界大戦は終わりに近づいていた。14歳の少女ローレの父親はナチスの高官であり、ドイツの勝利を信じていた。しかし、総統のヒトラーが死に、ドイツは連合軍に降伏したことでローレの信じていた価値は崩壊する。両親は連合軍に拘束され、ローレは幼い子供たちとともに取り残されてしまう。敗戦によって特権階級だったローレの状況は一変。祖母のもとへ向かうことを決意するが、そこまでは約900km。ナチスが崩壊したことにより荒んだドイツで、道行く行く先々で現実を突きつけられるローレたち。その途中でローレを救ったのは偶然であった青年トーマスだった。しかし、彼は今まで蔑んできたユダヤ人だった。


おススメ度: 映像は素晴らしかったが、全体的に暗く、カメラワークも見ていて非常に疲れる、と感じた作品。作品紹介で少女の成長物語と書いたが、ラストでは彼女は現実の重みに耐え切れずに心が壊れてしまったかのような描写で終わっている。彼女が立ち直ったのか、それともそのまま耐え切れずに自暴自棄になって――あるいは死を選ぶような結末があるのか。そういったところはあくまでも観客に選んでくださいといったラストになっている。彼女らの未来に幸あらんことを、と何となく思いつつ、おススメ度はBにしている。




【原作】




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