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歴史映画紹介


アメリカン・ソルジャーズ 真実の戦場(2009年)


MY LAI FOUR/アメリカ

監督: パオロ・ベルトラ

<キャスト>  ボー・バリンジャー  イヴェット・イゾン  イヴ・マシュー・ディマオ  マシュー・グリッソン  ジョー・スバ 他

劇場未公開



MY LAI FOUR



【ソンミ村虐殺事件】 ベトナム戦争が激化していた1968年3月16日。南ベトナムに展開していたアメリカ陸軍・第23歩兵師団第11軽歩兵旅団・バーカー機動部隊隷下、第20歩兵連隊第1大隊C中隊の、ウィリアム・カリー中尉率いる第1小隊が南ベトナム・クアンガイ省ソン・ティン県ソンミ村のミライ集落を襲撃。無抵抗の村民を虐殺した。人口507人のうち、504名が死亡。軍上層部はこの大虐殺事件を複数の兵士の報告によって把握していたものの、南ベトナム解放民族戦線のゲリラ部隊との戦闘であったと報告し、69年12月にシーモア・ハーシュが『ザ・ニューヨーカー』で真相を報じるまで隠蔽し続けた。70年に開かれた軍事法廷で関与した兵士14名が殺人罪で起訴されたも。71年3月に出された判決では、ウィリアム・カリー中尉に終身刑が言い渡されたものの、他の兵士は無罪となった。そのカリー中尉もその後10年の懲役刑に減刑され、74年3月には仮釈放されている。ソンミ村虐殺事件の事実が表に出ると、アメリカ軍は国内外から非難され、ベトナム反戦運動のシンボルとなった。


2006年に『ワールド・トレード・センター』を製作したオリヴァー・ストーン監督は次回作として、このソンミ村虐殺事件をテーマにした『ピンクヴィル(Pinkville)』という映画を用意し2008年クランクインの予定だったが、その後白紙となったらしい。一説では、圧力団体が映画製作会社に圧力をかけ、製作を断念させたとも言われる。ベトナム戦争を描いた映画は数多いものの、ベトナム反戦のシンボルだったはずのこのソンミ村虐殺事件を扱った作品で著名な作品がないのは、アメリカ軍にとって最大のタブーであったからでもあるのだろう。


戦場のリアルな姿を描く『アメリカン・ソルジャーズ』シリーズの第3弾。前半で第一小隊の様子と、ソンミ村の住民の姿を双方描きつつ、中盤以降、大虐殺の模様が描かれる。その中で狂気に身を投じる兵士、何とか虐殺を止めようとする兵士、無抵抗に虐殺される村民たち……。恐怖と狂気が支配する戦場の中で浮かび上がらせられる、人間の真実を描いた作品。


おススメ度: この作品を、戦後アメリカが抱えた最大のタブーに挑戦した意欲作、と見るか、力のない映画製作会社が話題作りのために製作した下作と見るかは難しく感じた。ぱっと見では非常に真面目な作品。しかし、全体的にチャチで迫力不足な印象はぬぐえず……。これだけの事件を取り上げるのであれば、相応の映画製作会社が総力を挙げて予算をつけ、実力あるスタッフと俳優を結集させてつくらなくては意味がないのではないだろうか。正直、ベトナム戦争もののラインナップには入れるのを躊躇う作品。おススメ度はDにしておく。




【ベトナム戦争】