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QUILLS/アメリカ 監督:フィリップ・カウフマン <キャスト> マルキ・ド・サド公爵:ジェフリー・ラッシュ 小間使いのマドレーヌ:ケイト・ウィンスレット クルミエ神父:ホアキン・フェニックス コラール博士:マイケル・ケイン 他 2001年劇場公開(FOX) |
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サディズムの語源としても知られるマルキ・サド侯爵の晩年に焦点を当てて描かれた作品。時代はナポレオンが実権を握っているフランスになっている。サド公爵を主役にしているだけあって下ネタや血みどろのシーンも出てきてR−15に指定されている。……とはいえ、滅茶苦茶な描写をされているわけではないので、見るときにちょっとそういう描写もあるよ、ということを頭に入れて観ていただければ、それほど気にはならないだろう。
猥褻文書頒布の罪で警察に逮捕され、シャラントンの精神病院に収容されたサド侯爵が、獄中で金の力と物わかりのいい理事長のおかげで、特別な待遇と、自由に文章を書いていい特権を得る。しかし、それらをつてを使って世に配布したため、当局からも睨まれたサド公爵のもとに、新たな院長が送り込まれてくる。この院長はかなり威圧的で暴力的な人物。で、自分のやってることは正しいと信じている偽善者。この院長に痛烈な皮肉を込めた演劇を見せる。
サドというよりもマゾだなこの人は……。なんて見てて思った。自分が社会的弱者になっているのに気づいていないのか、一瞬だけ愉悦を感じられても簡単に取り上げられるのに気づいていないのか。
この作品のテーマは表現の自由なのかな。表現の自由は他人に迷惑をかけない限りにおいて最大限に認められるべきではあるが、現代の基準で考えて非難したりするのもどうだかと思うのだが。最後に、偽善者の院長は金になりさえすればいいとばかりに出版を始め、理事長だった牧師は軟禁されて書かせてくれ〜とわめくことになる。正直、あんまり深くない作品だったなあというのが本音。
おススメ度: そんなに悪い作品じゃないんじゃないの、というのが感想。ただし、サド侯爵を主人公にしている割に、過激な場面があるわけでも倫理上の疑問を感じるような作品でもなかったなぁという感じ。おススメ度はCにしている。