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歴史映画紹介


クォ・ヴァディス(1951年)


Quo Vadis/ポーランド・アメリカ

監督:マーヴィン・ルロイ

<キャスト>  ネロ:ピーター・ユスティノフ  マーカス・ヴェニシウス:ロバート・テイラー  リジア:デボラ・カー 他

1953年年劇場公開(MGM)


ネロ帝は紀元54年から68年にローマの皇帝だった人物。最初の5年間は善政を敷いたが、母を殺したころから暴君ぶりを発揮するようになる。64年のローマ大火の際、ネロが扇動したという事実はなかったが、その後、「大火はネロ帝によるものだ」とまことしやかに囁かれたため、スケープゴートとしてキリスト教弾圧を行った。歴史家の間でも評価の分かれる人物なのだそうだが、後に世界中にその影響を与える事になるキリスト教徒を弾圧したため、彼らに憎まれ不当に酷い評価をなされている面があるのも確かな人物ではある。


この作品は、ローマ大火の直前にマーカス・ヴェニシウスが帰国する所から物語が始まる。帰国の際、立ち寄った元将軍の家で、リジアと出会う。彼女は、王族の娘で、人質として連れてこられてきた。一目見てリジアを気に入ったマーカスは、彼女を褒美として受け取るように申し出る。その願いはかなえられたが、リジアは逃亡してしまう。執念でリジアを探し出したマーカスは、彼女がキリスト教徒であったことを知る。当時、まだ新興宗教に過ぎなかったキリスト教は、ローマ市民の奥深くでじわじわとその勢力を増していた。


彼女を取り返そうとしたマーカスだったが、逆に返り討ちにされ、リジアに手当てを受ける。そこで、リジアが自分に対して好意を持っていると知ったマーカスは、己の神か、自分か、どちらかを選べと迫る。リジアはマーカスを選べなかった。リジアを諦めたマーカスだったが、ローマ大火が起き、リジアの危機を知る。馬を駆ってリジアの元に向かうマーカス。かくして二人は再会するが、ネロはキリスト教の弾圧を始め、リジアを含めて多くのキリスト教徒が逮捕される。残酷な処刑が始まる中、2人の愛の行方は……。


やはり、歴史に残る名作である。特に、ネロを演じたピーター・ユスティノフの圧倒的な存在感は群を抜いている。この作品の中でネロは、ローマ大火の直後、放棄した兵士たちに追いつめられる形で死んでいるが、史実では大火の後、わずか2年でローマを再建した。しかし、各属州で反旗が上がり、元老院からも「国家の敵」の烙印を押され、追いつめられる形で自害した。遅かれ早かれそうなっていたのだろう。


メインはマーカスとリジアのラブストーリーだが、最初の半分がかなり退屈。大火のころから俄然面白くなってくる。前半のハイライトはマーカスとリジアが好意を抱きあっていて、その間の障害として信仰の壁が立ちはだかることが明らかになる。それまで約100分間。半分でもよかったんじゃないだろうかと思う。


おススメ度: ローマ時代を舞台にした壮大な歴史大作。戦後のハリウッドはキリスト教徒とユダヤ資本の影響力が大きくその両方を迫害したローマ帝国が“悪役”になった作品はいくつか散見できるが、ある意味その極みのような気もする作品。歴史的名作であり、一見の価値のある作品だと思うので、おススメ度はにしている。




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