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Ride With the Devil/アメリカ 監督:アン・リー <キャスト> トビー・マグワイア スキート・ウールリッチ ジョナサン・リス=マイヤーズ ジム・カヴィーゼル 他 2001年劇場公開(アスミック・エース=日本ビクタ) |
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南北戦争を舞台にした作品。この作品の主役は、正規軍ではなく、南部に属する非正規軍の農民ゲリラの青年。リンカン大統領が自分の信念として奴隷解放を訴え、北軍を率いて戦ったように、南軍の側の正義が描かれる。しかし、そこで描かれる正義はあくまで残酷だった。一つの町の中でさえ、二派に別れ殺し合いが行われ、正義を気取る連中が血をばら撒く。結局は、「それが正義」なのだろう。
本来北部とつながりが強いドイツ系移民でありながら、南部シンパの父を持つジェイクは、南軍のゲリラに身を投じる。そこでは、北軍に父を殺されたジャックや、貴族のジョージ、ジョージの従者で黒人のホルクなどが戦いに参加していた。北軍の圧倒的な戦力の中、追い詰められていくゲリラたち。その中にあってさえ、ジェイクはドイツ系移民であるがゆえに、仲間たちから一歩離れた居心地の悪さを感じていた。ジェイクは、同じく黒人でよそ者扱いされていたホルクと互いに話すようになり友情を感じるようになる。そして、歴史的大事件、ローレンスの大虐殺を経て、ジェイクたちは己の生きる道を変えようと考え始める。
少し分かりづらい作品だと思うがなかなかの良作だと思う。とても美しく、また残酷な作品だ。北軍と南軍ゲリラによる虐殺に「運が悪かっただけ」と平然と言わせるあたり、ある種の趣味の悪さは感じないではないが、それぞれが、自分の行くべき道を選んで終わるエンディングは好感が持てた。ただ、ヒロインに今ひとつ華を感じないんだよな。
おススメ度: どっちかといえば西部劇に近い印象を受けたが、数ある南北戦争をテーマにした作品の中で、独自の視点で、独自の地位を築けた作品になっていると感じた。おススメ度はBにしている。