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歴史映画紹介


プライベート・ライアン(1998年)


SAVING PRIVATE RYAN/アメリカ

監督:スティーヴン・スピルバーグ

<キャスト>  ジョン・H・ミラー大尉:トム・ハンクス  マイケル・ホーヴァス一等軍曹:トム・サイズモア  リチャード・ライベン上等兵:エドワード・バーンズ  ティモシー・E・アパム伍長:ジェレミー・デイビス  ジェームズ・フランシス・ライアン上等兵:マット・デイモン 他

1998年劇場公開(UIP)



プライベート・ライアン 予告編 (1)



スティーブン・スピルバーグが第二次世界大戦中の実話にインスパイアされた脚本を映画化。物語が始まって、いきなり始まるノルマンディ上陸作戦の「血のオマハ」と呼ばれるオマハ・ビーチの凄惨な戦闘。その圧倒的な戦闘描写が話題を呼び、高い評価を受けた作品。戦闘にリアルな描写を持ち込んだ戦争映画の金字塔と言うべき作品。そのリアルで、おぞましいほど血がしぶき銃弾が飛び交う戦場の姿こそが、この作品のメッセージになっていると感じる。


物語の始まりはノルマンディ上陸作戦のオマハ・ビーチ。ドイツの防衛隊の抵抗の前に、連合軍兵士たちの血で染まっていく。その過去な戦場を生き延びたミラー大尉に新たな命令が下る。戦地のどこかに降りた落下傘部隊の兵士を救出し帰還させよという命令は、同時に部下の兵士の命を危険にさらすことだった。救出目標のジェームズ・ライアン二等兵(字幕では二等兵だったが、原作では上等兵)はこの週の間に3人の兄が戦死しており、最後の息子まで戦死させるのは母親に気の毒という軍部のせめてもの配慮だったが、「誰かを助けるために自分や仲間の命が危険にさらされる矛盾」はミラー大尉の部下たちに時に不協和音を引き起こす。


最初のあの戦闘場面で感情移入がどうとか、ドラマ性がどうとか考える余裕がなくなってしまった感じがする。戦争の恐ろしさを知らしめるには、百の言葉を費やすよりも、凄惨な戦場の姿を見せつけるのが一番ということなのだろう。最後に、自分のために死んでいくミラー大尉に「無駄にするな」と声をかけられるライアンの背負ったものの重みとはいかがなものなのだろう。エピローグの老年を迎えたライアンの「自分は精一杯生きただろうか」という問いは個人的には好きだった。実を言うと、ドラマ性自体はそれほどのものとは思えなかったが、エンディングで「戦場で生き残ることの重み」「精一杯生きることの意味」が提示されたように感じた。


おススメ度: 戦争映画の金字塔であり、この作品で戦争映画の在り方は一つ変わったと思う。ただ、アメリカ兵とドイツ兵ではやっぱり命の扱いが違うという感じがする。米兵の捕虜虐待シーンなどナチスが絶対悪としては描かれないものの、ドイツ兵は皆坊主頭で(このことがネオナチを想起させると批判の対象になった)キャラクターとしての描き分けすらされず、ただのエイリアンか何かのように描かれているように感じてその辺は好きになれなかった。おススメ度はにしている。




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