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歴史映画紹介


シルミド/SILMIDO(2003年)


実尾島/韓国

監督:カン・ウソク

<キャスト>  チェ・ジェヒョン(韓国空軍准尉):アン・ソンギ  カン・インチャン(684部隊第3班長):ソル・ギョング  チョ(韓国空軍兵):ホ・ジュノ  ハン・サンピル(684部隊第1班長):チョン・ジェヨン 他

2004年劇場公開(東映)



Silmido Trailer ???



1971年。韓国の朴正煕(パク・チョンヒ)大統領による軍事独裁政権の時代。1968年に起こった北朝鮮ゲリラによる青瓦台(韓国の大統領官邸)襲撃未遂事件をきっかけに、その報復として朴政権は、その報復として金日成(キム・イルソン)首相(国家主席となるのは1972年)暗殺のためのゲリラ部隊の創設を行う。部隊創設は韓国中央情報部(KCIA)の指示であり、その管理は空軍が行ったとされる。31名の隊員は、訓練中に7名が死亡したという。しかし、その後、南北融和の機運が高まり1971年に計画は撤回され、部隊は存在しないことになった。1971年8月に部隊は反乱をおこし、バスを乗っ取り青瓦台へと直訴に向かうがその途中で軍と衝突。手榴弾による自爆で多くの隊員が死亡し、生存した4名の隊員も後に処刑された。この映画のタイトルにもなっているシルミド(実尾島)は、部隊が訓練を行っていた島の名前。


物語は、北朝鮮ゲリラによる大統領暗殺未遂事件から。時の政権は、報復のための部隊の創設を指示。集められたのは、犯罪者ばかりの文字通りこの世から抹消されても惜しまれない人間ばかり。教官たちの厳しい訓練の日々。そしてついに、その日が来る。ところが、南北融和のムードが高まり、いざ出撃というこの時、部隊は出撃を延期される。さらに、教官たちには部隊の隊員の抹殺の命が下る。しかし、このことに気付いた隊員たちは、反撃して青瓦台に向かう決意を固める。


作中、隊員たちは犯罪者ばかりということになっていたが、実際には高額な報酬に誘われて集まった一般市民だったそうだ。そのため、遺族からは名誉を傷つけるとして公開中止を求める声も起きたという。また、作中で描かれたような部隊抹殺の命令も実際には存在しなかったという。実際にはかなりの脚色というべきか出鱈目というべきか、はかなり含まれており、これを見て韓国軍事政権時代を暗黒の時代だったと思うのは間違いだと思うが、時代の陰に隠れていた事件そのものをこうやって映画化すること自体は、歓迎すべきことだろうと思う。南北に分断された半島の中で、国家に翻弄された人間の悲惨さ、国家というのがいかに人間を踏みつけにして成り立っているという事実がよくあらわれていると感じた。


おススメ度: 自分個人として韓流ドラマはあまり好きではなかったが、結構良かったかなという感想を持った。自分自身、シルミド事件など知る由もないので「こんなの出鱈目だっ!」と叫ぶような知識も持ち合わせていないのだが、映画である以上エンターテイメントの部分も考えなければならないので事実の改変が混ざってくるのは、ある程度は仕方ないと思う(遺族の抗議などはもっともだとも思うが)。この映画のヒットがきっかけに2005年に事件に対して再調査が行われたという。韓国人の国民性もあるだろうが、日本では起こりえないだろうと思う。そういうところは少し羨ましいかなと思う。日本の中にも、国家によって踏みつけにされた人間は大勢いるのだろうが、それらが表に出る日が来るのかどうか……。おススメ度はにしている。




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