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歴史映画紹介


太陽の雫(1999年)


SUNSHINE/オーストリア・カナダ・ドイツ・ハンガリー

監督:イシュトヴァン・サボー

<キャスト>  イグナツ/アダム/イヴァン:レイフ・ファインズ  晩年のヴァレリー:ローズマリー・ハリス  若き日のヴァレリー:ジェニファー・エール 他



激動のハンガリー近代・現代史を舞台に、時代に翻弄され続けたユダヤ人の一族の三代にわたる壮大な物語。『太陽の雫』の中心を生きる、イグナツ、アダム、イヴァンの三人の男たちをレイフ・ファインズが一人で演じている。


時代も、オーストリア・ハンガリー帝国の時代、第一次世界大戦〜第二次世界大戦、戦後の共産主義支配の時代からハンガリー動乱と、目まぐるしく移り変わっている百年が、しっかりと描かれた歴史大作となっている。時代がどう変われど人々の営みが途絶えることはなく、命は新たな世代へと受け継がれていく。人生の素晴らしさ、美しさを描いた名作。大河ドラマのような一本。3時間という時間は決して長くなかったと思う。


19世紀末。エマニエル・ゾネンシャインは、父が残した養命酒『サンシャインの味』の大ヒットによって莫大な財を気づいた。しかし、息子たちは酒造りを継ぐことなく思い思いの人生を歩もうとしていた。法律家として大成しようとしていたイグナツは、ユダヤ人だと出世できないため、ハンガリー風に名字を改めることにした。判事として成功をおさめたイグナツだったが革命により幽閉され不遇のうちにこの世を去る。息子のアダムは、フェンシングで成功し、オリンピックにまで出場し金メダルを取った。ところが、カトリックに改宗しハンガリーに同化したアダムだったが、ユダヤ人だったために収容所に送られ、兵士たちのリンチによって死亡する。父の死を目の前で見たアダムの息子、イヴァンは復讐のために戦後、警察に入りファシスト狩りに躍起になる。共産党幹部に認められ出世していくイヴァンにもまた、時代のうねりが容赦くなく襲いかかってきた。


おススメ度: 長大な脚本を映画用に短くしたものだという。そのため、映画としての面白さを置き去りにしてストーリーを追うのが忙しかったのでは、とも感じた。イグナツ、アダム、イヴァンの三人は、同じように不幸な愛に溺れ、同じように成功し、同じように人生を転落していく。タイトルにもなっているゾネンシャインの一族の絆ともいうべきお酒の話が途中でないがしろになってしまったように感じたのは少し残念。ただ、十分良作の域にある作品だと思うし、ハンガリーの近代史に興味を持てる映画になっているだろうと感じる。おススメ度はにしている。