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歴史映画紹介


スウィーニー・トッド〜フリート街の悪魔の理髪師〜(2007年)


Sweeney Todd:The Demon Barber Of Fleet Street/アメリカ

監督:ティム・バートン

<キャスト>  スウィーニー・トッド:ジョニー・デップ  ミセス・ラベット:ヘレナ・ボナム=カーター   ターピン判事:アラン・リックマン 他

2008年劇場公開(ワーナー)



スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師 予告編字幕正式版



19世紀のロンドンを舞台にした作品。悪徳判事に陥れられ、妻と娘を奪われた男の復讐劇。スウィニー・トッドは19世紀イギリスの怪奇文学に出てくる架空の連続殺人鬼で、これまでも何度か映画化やミュージカル化されているが、個人的には見たのはこの作品が初めて。薄暗い街なみの19世紀のロンドンの雰囲気がよく出ていると思う。滴り落ちる血の色とか、CGが丁寧に使われていると感じた。ジョニー・デップが復讐に取り憑かれた連続殺人鬼を演じている。ミュージカル映画なので、そういった作品が好きか嫌いかによって分かれてしまうが、個人的にはこの作品はミュージカル映画ではなく、ゴシックホラーにしてほしかったなと思う。眼窩が強く彫りこまれた不健康そうな二人が踊っているあたりは、コメディのように思える。


物語は、悪徳判事のタービンによって放逐されていたベンジャミン・バーカー(スウィニー・トッド)が戻ってきたところから始まる。かつての住み家へ戻ってきたスウィニー・トッドは一階のパイ屋のミセス・ラベットから妻は自殺し、娘はタービン判事の養女となったことを知る。復讐を誓い理髪師として働きながらチャンスを待つスウィニー・トッドだったが、彼の前に、彼の過去を知る人物が現れ、とっさに殺してしまう。その直後に、タービンを殺すチャンスに巡り合えたが、不覚にも失敗してしまう。スウィニー・トッドが犯した殺人を知ってしまったミセス・ラベットは、その肉をパイに入れて売り出すことを思いつく。かくして、スウィニー・トッドは次々と人を殺しミセス・ラベットのパイ屋は大繁盛するようになる。


ミセス・ラベットの理屈では、「普通は下のやつが上のやつに奉仕しているのだから、たまにはその逆を味あわせてやればいい」ってことで人間を殺してパイに入れているのだが、「身寄りのない人やよそ者だけを狙って殺している」のでは、なんか矛盾している気もするのだが。消えても問題にならない金持ちや上流の人間を探すほうが難しいだろう。どっちにしてもひどい話だ。次々に人肉入りのパイを客にふるまっていながら、幸福な未来を夢見るミセス・ラベットのイカれ具合も相当なものだが、誰一人救われずに終わるエンディングはこの作品として当然というところか。せめて、スウィニー・トッドが自分の実の娘を殺さずにすんだことだけが救いか。せめて彼女だけでも幸せになってほしいものである。復讐譚には多少の救いは欲しいところ。


スウィニー・トッドの凶悪犯罪が暴かれるきっかけになったのは、最初に殺した男の従者をしていた少年を助けて、しかも手元に置いておいたことだった。せめて追い払うなり、さっさと始末しておけばこんな事にならなかったのに、仏心を出すからこんな事になる。悪党がその場の思いつきで良心を示すと、(自分にとって)最悪の形で跳ね返ってくるぞ、ということか。肝に命じておこう。


おススメ度: 血しぶきや19世紀ロンドンの薄汚れた街並みなどCGを効果的に活かした映像になっている。ただ、コメディでミュージカルで復讐どころか無関係な人間を次々殺していく殺人鬼の物語というのは個人的にはちょっと……うまく合っていないように感じ、少しおススメ度を下げた。おススメ度はにしている。




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