TURNING☆POINT〜世界史(西洋史)を舞台にした歴史映画・DVD紹介のサイト〜


カスタム検索


歴史映画紹介


4月の涙(2009年)


KASKY:TEARS OF APRIL/フィンランド・ドイツ・ギリシャ

監督:アク・ロウヒミエス

<キャスト>    アーロ・ハルユラ:サムリ・ヴァウラモ  ミーナ・マリーン:ピヒラ・ヴィータラ  エーミル・ハレンベルグ:エーロ・アホ  マルッタ:ミーナ・マーソラ 他

2011年劇場公開(アルシネテラン)


【フィンランド内戦】 1918年1月から5月にかけ、北欧のフィンランドで起こった内戦。1917年のロシア革命を契機に、同年12月にフィンランド議会はロシアからの独立宣言。発足したばかりのソビエト連邦はフィンランドの独立を承認する。しかし、独立を宣言する以前からフィンランドの内政は混乱しており、自作農や資産家階級によって結成された白衛軍と小作農や労働者によって結成された赤衛軍が対立していた。独立が承認されると、共産主義政権が生まれるも、両者の間で内戦が始まった。白衛軍がドイツ帝国とスウェーデン義勇軍の支援を受ける一方、赤衛軍はソビエト・ロシアの支援を受けた。序盤こそ、赤衛軍が優位に戦線を展開するも、白衛軍が盛り返し、5月に入ると赤衛軍の全ての拠点が陥落し、赤衛軍はロシアに逃れた。内戦終了後のフィンランドはドイツ帝国の支援を受け、フィンランド王国がわずかな期間誕生するが、ドイツ革命の余波によってフィンランドの君主制も覆され、1919年には共和制に移行する。


映画『4月の涙』は、内戦末期のフィンランドを舞台に、その中で敵味方として出会った男女の恋愛を軸に描いた作品。戦争における非道行為は、どんなに時代が変わったとしても必ず起こる上に、それを行ったのが勝者であれば、それは犯罪どころか英雄行為になってしまう。フィンランド内戦という日本ではあまり馴染みのない場面を舞台に、内戦の恥部を描いた作品になっている。


1918年4月。フィンランド内戦の趨勢はほぼ決まるなか、強硬に抵抗を続ける赤衛軍。その女性部隊のミーナとその仲間は白衛軍によって捕えられてしまう。彼女らは白衛軍の兵士にレイプされた上に銃殺される。偶然の幸運によって生き延びたミーナは、白衛軍の准士官アーロに裁判所に移送されることになる。アーロは非道な戦場の中で理想を捨て切れずにいた。逃亡を企てるミーナだったが、結果的に2人の乗った船が無人島に遭難してしまう。やがて、2人の間の感情に、変化が生まれ始める。助け出された2人はエーミル判事のもとに辿り着いた。エーミル判事はアーロが信頼を寄せせていた人物だった。ミーナの助命に奔走するアーロ。エーミル判事を誘惑しようとするミーナ。しかし、エミール判事にはある秘密が……。


ラストでアーロは一身を投げだし命を捨ててミーナを逃がそうとし、ミーナはアーロとともに逃げることを望む。こういう書き方をすると、敵味方の間に芽生えた陳腐な恋愛劇、以上の印象を受けないのだが、そこに登場するエーミル判事の登場で、話が妙な方向に動いて行く。エーミルのアーロ、そしてミーナに対する異常というか奇妙な執着の仕方には当初違和感しか感じなかったが、その理由が明確になるとこの作品の中心はアーロとミーナの恋愛劇ではなく、それを通して描かれたエーミルの葛藤であったのではないかと感じさせられた。


おススメ度: 正直おススメ度を付けるのは難しい作品だと感じた。おススメ度はCにしておくが、人文小説を好む方には良作かもしれない。