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歴史映画紹介


ソードキング(2005年)


THE KING MAKER/アメリカ・タイ

監督:レック・キタパラポーン

<キャスト>   ゲイリー・ストレッチ  ジョン・リス=デイヴィス  ジョナサン・ウィンタース  エマ 他

劇場未公開


アユタヤ王朝期のタイを舞台にしたソードアクション。アユタヤは1351年〜1767年にタイ中部にさかえた王朝で、中国、ヨーロッパ、ペルシアなどと積極的に交易を行い富を蓄え、独自の華やかな文化を形成し東南アジアに大きな勢力を持った。1569年に隣国ビルマの属領となっており(1583年に独立)、『ソードキング』の舞台となっているのはその直前のアユタヤの内紛。もっとも、どのくらい史実に忠実に描かれているのはよくわからないが、王に不満を抱く王妃による暗殺劇が描かれる。


『ソードキング』の主人公フェルナンドは傭兵。ビルマに向かう途中、船が難破しアユタヤに流れ着く。そこでマリアという女性に助けられ、アユタヤが隣国と戦争になった時、アユタヤの勇者とともに武功をあげ、アユタヤ王の警護に取り立てられる。そのころ、王妃は愛人とともにアユタヤ王を殺して国を乗っ取ろうと画策していた。その陰謀には、マリアの父も関わっていたが、それとともにマリアの父はフェルナンドにとっても因縁浅からぬ相手だった。果たして、フェルナンドは王妃の陰謀を打ち砕きアユタヤを救うことができるのか?


ところで、『ソードキング』の中で、アユタヤ王の命を狙うのは日本の忍者である(しかもベッタベタの)。アユタヤには14世紀ごろから日本人の移住が始まっており、戦国時代、主君を失った浪人たちは傭兵としても活躍した。特に、関ヶ原の合戦や大坂の陣の後、大規模な戦闘がなくなり、経験豊かな武士たちが海外に活躍の場を求めたこともありその数は飛躍的に増加した。15世紀後半から16世紀初めごろにかけて軍事的・政治的に影響力を持つようになる。山田長政の名は日本でもよく知られているが、国王の継承の問題に口を挟んだことで左遷され、毒殺された(1630年)。同じ年、日本人町に謀反の疑いがあるとして、日本町は焼き払われ、日本でも徳川幕府によってキリシタン禁止令、日本人の国外渡航・帰国が禁じられたことで日本人町は衰退していく。


とは言え、どうして日本人が悪役にされなければならないんだろう……とかちょっと思う。アメリカとタイの合同映画だが、タイにだって隠密に類する特殊な訓練を受けた兵士はいただろうし、タイにも優れた武術はたくさんあるだろうに、あまりタイらしさが見えてこない。フェルナンドとマリアの恋愛話や、フェルナンドとマリアの父との因縁、反撃に出たフェルナンドたちを殺そうと斧を片手に髪をばさりと垂らして上半身血まみれで迫ってくる王妃の姿などはアメリカ映画っぽい。


おススメ度: 90分と尺は短い中、色々と詰め込まれた作品になっていると感じる。歴史ものとしてはどうかと感じないではないが、下手なファンタジーよりはよほど見ごたえのある作品ではないだろうか。おススメ度はとしている。