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歴史映画紹介


終着駅 トルストイ最後の旅(2009年)


THE LAST STATION/ドイツ・ロシア

監督:マイケル・ホフマン

<キャスト>  ソフィヤ・トルストイ:ヘレン・ミレン  レフ・トルストイ:クリストファー・プラマー  ワレンチン:ジェームズ・マカヴォイ  チェルトコフ:ポール・ジアマッティ  サーシャ・トルストイ:アンヌ=マリー・ダフ  マーシャ:ケリー・コンドン 他

2010年劇場公開(ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント)



映画『終着駅 トルストイ最後の旅』予告編



『戦争と平和』で知られるロシアの文豪、レフ・トルスコイ(1828年〜1910年)。19世紀ロシアを代表する巨匠の1人であり、思想家としても高い名声を獲得した。堕落した政府・社会・宗教への批判を加え、政府や宗教指導者からは危険視され、1890年代からは激しい攻撃を加えられたが、結果的にトルストイの名声を高めることになったという。1901年にはロシア正教会から破門され、現在に至っても取り消されていない。


自然主義的思想を好み、簡素な生活を好んだという。反面、トルストイはロシアのみならず、世界中に影響を与えたベストセラー作家であった。当然、トルストイの下に入ってくる金銭の額は計り知れない。印税や地代の受け取りを拒否しようとしたりして家族と対立していたという。


1910年に家出を試みたトルストイは鉄道での移動中に体調を崩してアスターポヴォ駅(現・レフ・トルストイ駅)で下車し、1週間後の11月20日。駅長官舎で肺炎により82歳で病没。葬儀には1万人を超える参列者があったという。


映画『終着駅 トルストイ最後の旅』では、愛の理想を謳いあげながら、自身の家族にはその理想を理解されず対立していく夫婦の姿と、その根底にあった長年連れ添った夫婦の一筋縄ではいかない愛の姿を描いている。


物語はトルストイの思想に憧れ、トルストイの個人秘書となった理想主義者の青年ワレンチンの視点で描かれる。トルストイの許には、トルストイ主義者が集まり共同生活を送っていた。トルストイも彼らの活動を支援し、自分の遺産も全てロシアの国民のために使うようにと遺言を残す。しかし、50年間に渡ってトルストイを献身的に支えてきた妻、ソフィヤにとっては夫の遺産を他人に譲り渡すなど到底承服しがたい話だった。そのため、両者の間には大きな溝ができてしまう。ワレンチンがトルストイの下にやってきたのはそんな折。ワレンチンはその誠実さから両者から信頼をされるようになる。


トルストイとソフィヤの間にあった紛れもない愛の形と、理想と現実というままならないギャップが丁寧に描かれた秀作だと感じた1本。


おススメ度: 不思議な映画だった……という気がした1本。ヒステリックで高圧的なソフィヤと、どこか弱々しく、幼稚さを感じさせるトルストイ。“理想”を掲げて家族を排斥しようとする自由主義者。見ていてイライラする。理想を語るのは容易いかもしれないが、それを現実のものとするのはなんて難しいのだろう。あまり感傷的なほうではないつもりだが、ラストでは感情を揺さぶられる映画だと感じた。おススメ度はB




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