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歴史映画紹介


グアンタナモ、僕達が見た真実(2006年)


THE ROAD TO GUANTANAMO/イギリス

監督:マイケル・ウィンターボトム

<キャスト>  アシフ:アルファーン・ウスマーン  ローヘル:ファルハド・ハールーン  シャフィク:リズワーン・アフマド  ムニール:ワカール・スィッディーキー 他

2007年劇場公開(クロックワークス)



"The Road to Guantanamo" trailer



グアンタナモ基地(その性質から収容所とも呼ばれることもある)はキューバにある米軍基地でありキューバがスペインから独立したのちの1903年にアメリカが永久租借した基地でもある。主権はキューバにあり、米国は租借料として金貨2000枚(今日の価格で約4000ドル)を支払ってきた。しかし、カストロ政権はこの基地租借を非合法なものであると非難しており1度受けとった以外は租借料を受け取っていないという。


そういった基地であるため、アメリカの国内法も、キューバの国内法も適用されず軍法のみが適用される治外法権であり、周囲は厳重な地雷原に囲まれたこの基地はなかなかマスコミなどの目にさらされることはなかった。難民などを不法入国者として収容したり、アフガン戦争以降はアルカイダやタリバンなどの幹部を収容するようになったという。人権上の問題などもあり閉鎖を求める声も高くブッシュ政権も一度は検討したものの断念した。2009年1月に大統領になったバラク・オバマ氏はグアンタナモ基地閉鎖を公約に掲げていた(ただし、2010年3月現在実現されていない)。


この作品は、アフガニスタンを訪れたイギリス籍パキスタン人の青年が、アルカイダと疑われて無実が証明されるまでに2年以上もグアンタナモ収容所などで米軍に拘束され、執拗に拷問をうけ虚偽の自白を強要され続ける姿が描かれている。100分余りの映画だが、よくこの環境下で心が折れなかったものだと思う。そして、このようなことが世界第一の文明国を自認する国で行われたことは驚愕でもある。


映画を見て、自己責任と非難することは容易い。友人の結婚式のためにパキスタンを訪れた若者たちは、戦火が間近に迫るアフガニスタンにボランティアに向かいそこでタリバンと北部同盟の戦闘に巻き込まれて拘束される。しかし、彼らは一貫してアルカイダとのつながりを否定しているにかかわらず米軍は拷問にかけて自白を強要し、イギリスは自国民保護のために動かない。それでも、彼らが戦い続けて無実を勝ち取ったからこそ、その悲壮な現実の一部がこうやって映画という形で自分たちの目に触れることになったことは、まだ、世界理性の一部が正常に機能している証明だと思いたい。好き嫌いに関わらず、一度は見た方がいいだろう作品。


おススメ度: おススメ度はにしている。この作品は、面白い、面白くないというよりも“観るべき”作品だと思うが、内容自体引き込まれてしまう力を持っている。




【グアンタナモ収容所】