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歴史映画紹介


ザ・ハッカー(1999年)


Takedown/アメリカ

監督:ジョー・チャペル

<キャスト>  ケビン・ミトニック:スキート・ウールリッチ  下村努:ラッセル・ウォン  ロリンズ捜査官:トム・ベレンジャー 他

劇場未公開


1995年に実際に起こった、アメリカの有名なハッカー、ケビン・ミトニック逮捕劇を、逮捕に協力したコンピュータージャーナリストのジョン・マーコフ氏とコンピュータセキュリティの専門家だった下村努氏による著作『Takedown』を原作に、脚色を加えて映画化した作品。原作では、下村氏が主役だが、映画の中ではケビン・ミトニック氏の視点で物語は進められる。


本来、ハッカーとはコンピュータ―に精通した人間への敬称を指し、クラッカーとはその技術を悪用する人間のことを指すようだが、今では一般の人にとってはこの両者に明確な区別もなくハッカーと呼称されているようだし、ここではハッカーという呼称を使う。


舞台となる1995年はネットが世界のあらゆるものを繋がれるという世界が現実のものになり始めていた時代。人間の世界観を大きく変革してしまう可能性のある技術だったが、それは、1人のコンピューターに精通した人間によって、大きな混乱が引き起こされかねない時代の到来でもある。


コンピュータ犯罪の天才と、コンピュータセキュリティの天才の息詰まる対決が、この映画の見どころ。ハッキングとかクラッキングとか言うと、ともすればディスプレイの前でプログラムの羅列を目で追い続ける作業のような気がしてしまうが、パスワードの入手などのために、相手に電話をかけたり、時には直接接触するなど、そういう場面も、ハッカーの一面である。


物語の舞台は、仮釈放中のミトニックが、アイスブレーカーと名乗るハッカーから呼び出されて情報交換を持ちかけられるところから、しかしこれはFBIの罠だった。これを、ハッキングのテクニックを駆使して鮮やかに切り抜ける。それから2年後。FBIはさらにミトニックを執拗に追い続けていたが、なかなか捕捉に至らなかった。


テレビ中継で「電子通信のプライバシー条例に関する連邦聴聞会」に呼ばれて意見を述べる、物理学者でハッカーの第一人者の下村に激しい敵意を覚えたミトニックは、下村の研究情報やメールをはじめとした何千ものファイルを盗み出すことに成功した。しかし、ファイルの中には、ワクチン作成用に試作した国家をも支配しかねないコンピュータウィルスも含まれていた。重要性に驚愕したミトニックは、その解読を試みる。ミトニックによって大いに傷つけられたプライドのため、アメリカを1人のハッカーの掌中に渡しかねない代物を取り返すため、下村とミトニックとの人知れぬ戦いが始まった。


おススメ度: 全体的に娯楽映画としては地味な映画であり、分かりにくい映画のように感じた……割に結構面白く観られたのが不思議。下村氏とミトニック氏(同氏は現在、コンピュータセキュリティに関する助言を各方面に行っている)の戦いは、原作の『Takedown』のみならず、様々なノンフィクションが出されいる。また、コンピュータの専門用語も様々出てきて、最初はとっつきにくい映画と思うかもしれない。しかし、背景を知れば知るほど面白くなる映画、と言えるような気がする。おススメ度はBにしている。




【事件関係】