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歴史映画紹介


ウィリアム・テルの冒険(1986年)


The Adventures of William Tell

監督:デニス・ヘリー

<キャスト>  ウィル・ライマン  ニック・ブリンブル 他



中世スイスを舞台にしたウィリアム・テルの物語。名前を聞けば、あの頭に載せたりんごを、弓矢で撃ち落とす男の物語だとすぐに気づくだろう。テル自身は架空の人物だが、オーストリアとフランスという当時の二大国に挟まれたスイスは、南北ヨーロッパをつなぐ要所だったため、この二大国に常に狙われる立場におかれていた。特に、オーストリア王家のハプスブルグ家の発祥の地でもあったため、同家はこの地に強権政治を行おうとする。スイスはそれに反抗をしたため、ハプスブルグ家は軍を差し向けるが逆に惨敗を喫した。そういう時代の物語。きっと、テルのような戦士も実在したんだろうなと思う。


物語は、中世のスイス。フレデリック皇帝の圧制の下、農民たちは苦しんでいた。ウィリアム・テルは、戦争ではこれを変えられないと甘んじて受け入れる覚悟を決めていたが、息子マシューはそれを嫌い反抗する。そのため、領主のゲスラーに父子ともども捕らえられてしまう。皇帝の前に反逆者として引き出されたテルに、ゲスラーは、息子の頭の上に置いたりんごを射抜かせようとする。


まず、タイトルから気に入らない。ウィリアム・テルが戦いを挑んだ相手は皇帝、つまり国家そのもの。それを、“冒険”なんてロマンあふれる言葉で表現すべきでもないだろうと思う。内容も、あまりお薦めしない作品。1986年の作品なので最近の作品ではないが、正直もっと昔の作品だと思ってしまった。テンポもあまりよくないし、全体的に迫力不足。


でも、何より気に入らないのはあの馬鹿息子。自分のやったことのせいで父親がどんなひどい目にあったと思っているのか。皇帝にたてついておきながら、皇帝の孫に気に入られたらさっさと獄舎を出てるんじゃない。せめて、鍵を開けられても外に出ない程度の度量は見せろ。誰しも、王だの何だのに、理不尽な命令を下されれば許せないと感じるだろう。個人的にも、国家が国民を守らないなら、その国の法を守る必要はないと思っている。しかし、法を守らないと決めるなら、死ぬまで戦うか、いかな処罰も受け入れる覚悟は必要だろう。それがないのに、ただ嫌だから反抗しました、というのでは、それはただの子供の駄々でしかないと思うのだが。


おススメ度: これまでもウィリアム・テル(最近は、ドイツ語読みのヴィルヘルム・テルのほうで呼ばれることのほうが多いようだが)の物語は何度か映像化されているが、個人的に見たことがあるのはこれだけ。あんまりできのいい作品だと思えなかったが、ウィリアム・テルを主人公にした作品ということで、おススメ度はとしている。