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歴史映画紹介


リバティーン(2004年)


The Libertine/イギリス

監督:ローレンス・ダンモア

<キャスト>  ロチェスター伯:ジョニー・デップ  エリザベス・バリー:サマンサ・モートン  チャールズ2世:ジョン・マルコビッチ  エリザベス・マレット:ロザムンド・パイク 他

2006年劇場公開(プレシディオ)



リバティーン 【予告編】2005 The Libertine Trailer



1660年のイングランドを舞台にした作品。チャールズ2世統治下のイングランドは、ピューリタン革命(1642年〜1649年)と名誉革命(1688年〜1689年)の間に当たり、議会や宗教問題などでチャールズ2世は困難な政権運営を迫られることになった。そういった時代背景を頭に入れてから見たほうが分かりやすいかなと思う。


ジョニー・デップが演じるのは、第2代ロチェスター伯爵ジョン・ウィルモット。33年の人生の大半を酒色に費やしたという、実在の人物である。大切な宴の席で卑猥な詩を朗読して国王の怒りを買って幽閉されていたジョンが、恩赦を受けてロンドンに戻ってくるところから物語は始まる。王は彼に期待を寄せていたが、ロンドンでは悪友と酒を飲み、娼婦に手を出し放蕩な生活を送っていた。そんな折、芝居小屋で、ブーイングを浴びる1人の若い女優の姿を目にする。ジョンは彼女の才能を見抜き指導をしたいと言い出す。最初はジョンの悪評に嫌がっていたエリザベスだったが、やがて自分の才能を認めていることが分かり一対一のレッスンを受けるようなる。そんな時、ジョンが王とフランスの大使の前で演じされた劇が、取り返しのつかない結果を招いてしまう。


ちなみに、この当時の演劇では、観客が野次を飛ばしたりするのも日常茶飯事だったそうで、エリザベスがブーイングされる場面は、決してこの作品のための創作ではなかったそうだ。


地位も、名誉も美しい妻も、何もかも持っていたにもかかわらず、倫理や常識のような人間を縛るものを否定しようして堕落した、自己崩壊、自己矛盾へとつながっていく姿は、17世紀の困難な時代と交わって、暗い霧の中を歩いているような感じを覚えた。


とはいえ、少々演出力不足かなと思わないでもない。特に、一番の見せ場のはずの議会での演説の場面が、梅毒に冒されたジョン・ウィルモットが、特殊メイクばかりがよくできていて、死を間近に控えた男の凄みをあまり感じない。役者さんの頑張りが伝わってくる作品なだけに、“壮絶”なイメージを感じられないのはちょっと残念。


おススメ度: なんだかんだ言っても結構おススメできる作品。ある意味で、平穏や安定を呪う破滅型の人間、狂わなければ生きていけない人間は必ずいるわけで、それがこの時代とうまくマッチした作品になっているように感じた。おススメ度はにしている。




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