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歴史映画紹介


パッション(2004年)


The Passion of The Christ/アメリカ・イタリア

監督:メル・ギブソン

<キャスト>  イエス・キリスト:ジム・カヴィーゼル  イエスの母マリア:マヤ・モルゲンステルン  マグダラのマリア:モニカ・ベルッチ   他

2004年劇場公開(日本ヘラルド映画)



The Passion Of The Christ Trailer



イエスの最期の半日程度を舞台に、その死と復活までを描くメル・ギブソン監督の歴史大作。新約聖書の記述に忠実に再現したというこの作品は全世界で大ヒットを記録した。……ただ、個人的には、別にキリスト教徒でもないし、凄惨で執拗な暴力シーンばかりの作品としか思えなかった。あえて悪意のある言葉をここで使えば、真っ当なキリスト教徒は、この作品を見てユダヤ人やローマ帝国への憎しみを新たにしてるんだろうか、なんて思ってしまった。


物語は、ユダの密告によってイエスが捕らえられるところから始まる。イエスは神の子としてあがめられていたためユダヤの大司教を激怒させ、ローマのユダヤ総督のもとに連れて行かれ、極刑を求められる。総督の前でも揺るがないイエスに対し、群集は死罪を求める。ユダヤ総督は、その勢いに押されてついに、ついに十字架刑に処することを命じる。


宗教的なバックボーンがある人とそうでない人とでは、感じ方や捉え方が大きく変るのかもしれない。信仰を貫くというのは、こういうことなのだろうと思う。宗教(別にキリスト教に限らず)を信じていない人間にとっては、なぜ苦しいときに姿も見せない存在を命をかけて信じられるのか、理解できない。と、同時に現代の人間が、なぜここまでと思ってしまうことをやってしまうのが、この古代ローマ時代……というより近代以前の世界だったのだろうと思いぞっとする。そして、人間の本質は何も変わっていない以上、それをできる本質を人間は胸の内に住まわせて生きているのだろう。


おススメ度: おススメ度はにしてはいるものの、正直観たときに、自分はどう考えればいいのか分からなかった。観客の中にショック死した人までいたという、あの凄惨な鞭打ち刑の場面も磔も決して誇張ではない。しかし、監督が何を描きたかったのかよく分からない。ただ暴力作品を描きたいわけではないということはひしひしと伝わってくる。それでは、信仰を貫くということの崇高さを描きたいのだろうか。それともイエスを惨殺したユダヤ人やローマ帝国への憎しみ、憤り? だが、まがりなりにも歴史サイトを運営している人間としては、この後の歴史の中でキリスト教徒がユダヤ人に行った凄惨な行為を、このことで免罪符にしていいとも思えない。




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