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歴史映画紹介


ウォリスとエドワード〜英国王冠を賭けた恋〜(2011年)


W.E./アメリカ

監督:マドンナ

<キャスト>  ウォリー・ウィンスロップ:アビー・コーニッシュ  ウォリス・シンプソン:アンドレア・ライズブロー  エドワード:ジェームズ・ダーシー  エフゲニ:オスカー・アイザック 他

2012年劇場公開(クロックワークス)



映画『ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋』予告編



【王冠をかけた恋】 1936年12月11日。当時のイギリス国王エドワード8世がラジオを通じて国民に退位を表明。弟のヨーク公に王位を譲ることとなった。当時、エドワード8世は王太子時代からウォリス・シンプソンという女性と交際していたが、彼女はアメリカ人で、離婚歴があり、交際当時はれっきとした既婚者であった。そのため、王族から国民まで、この交際を否定的な目で見ており、エドワード8世は国王として立場とウォリスとの結婚を天秤にかけ、後者を選び退位した。在位日数は325日。翌年、エドワードとウォリスは結婚。ウィンザー公爵の称号を与えられる。


邦題では……というか原題でも、ストーリーの中心はウオリスとエドワードとのロマンティックな恋愛話が核になっているような感じだが、実際には主人公は現代のニューヨークを生きる一人の女性、ウォリー。ウォリーの夫は優秀な医師で金には不自由していない。傍からは羨ましく見られている。しかし、ウォリーにも夫との間に人知れぬ苦悩を抱いていた。そんなある日、ウォリスとエドワードをテーマにした展覧会を訪れたウォリーは、ウォリスの生き方に強くひきつけられる。


ウォリーの生きる現代と、ウォリスが生きた1936年ごろとを交錯させながら、一人の女性の生き方、幸せとは何かを描いた作品。一つの映画としては秀作だと感じるものの、ウォリスとエドワードの物語だけでも非常にドラマチックな話の上に、演じている役者もとても印象的なので、ちゃんと歴史作品として描いてほしかったなぁ、とも感じる。その意味ではとても残念。しかし、作中でウォリーが問う場面がある。「この恋を通じてエドワードが失ったものについては多く論じられてきたが、ウォリスが失ったものに関しては論じられることはない」確かに、国王としての地位を捨てたエドワードと比べ、民間人であったウォリスのことはあまり顧みられることはないかもしれない。目から鱗が落ちたような気がした。


ところでドイツでナチスが台頭していたこの時代、親独派であり、ナチスとも友好的だったエドワードは、弟で後を継いだジョージ6世に嫌われ、長らくイギリスに帰国することはできなかった。ナチス側も、エドワードとのパイプを非常に重視しており、イギリスを陥落させた暁にはエドワードを国王として傀儡政権樹立する計画を立てていたともいう。もしもウォリスとの恋がなければ、世界史がどのように動いたのか、非常に興味深い。


おススメ度: 2つの作品を1つに納めたような印象を受ける作品。残念ながら1粒で2度おいしい、とはならなかったが。ウォリスとエドワードが絡む部分は半分以下だし、歴史作品としてはDとしておく。




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