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歴史映画紹介


ワールド・トレード・センター(2006年)


World Trade Center/アメリカ

監督:オリヴァー・ストーン

<キャスト>  ジョン・マクローリン:ニコラス・ケイジ  ウィル・ヒメノ:マイケル・ペーニャ  アリソン・ヒメノ:マギー・ギレンホール  ドナ・マクローリン:マリア・ベロ 他

2006年劇場公開(UIP)



World Trade Center



9.11同時多発テロは文字通り世界の歴史を変えた出来事だったが、この作品で描かれているのは同時多発テロ事件そのものよりも、瓦礫の中に取り残された2人の港湾警察官の絶対に生きよ残ろうとする姿と、生存を信じ待ち続ける家族の姿、生存者救出のために二次災害を恐れずに救出しようとする救助隊員の姿。2人が救出される場面は胸にぐっとくるものがあったが、やはり事件の背景が同時多発テロということになると、素直に感動できない部分がある。これが地震などなら素直に感動できただろうけれど。しかし、この後にアフガン戦争という現実が待っていることを考えると……生存者の救助とは切り離して考えなければならないとはいえ、3000人の死者、6000人の負傷者の報復のための戦争をどうしても考えてしまう。誰かの為に命をかけられる勇敢さと、憎しみのために虐殺ができる残酷さと。人間は両方を持っている……ということだろうか。


物語の始まりは、あの運命の日の朝から。いつもと同じように現場へと出て行った港湾警察の警察官は、世界貿易センタービルへの旅客機が激突するという大事件の発生を受けて緊急招集される。マクローリンを班長に救助チームが現場に向かうが、それは文字通りの修羅場だった。マクローリンはビル内での救助のために志願者を募り、新人警官のヒメノら4人の警察官とともにビルに入る。しかし、世界貿易センタービルの最後の瞬間は刻一刻と近づいていた。


できるだけ、政治的な思想を排除しながらあの事件を描こうとした(完全に排除することはできなかったが)姿勢は良いと思う。さすがのオリヴァー・ストーン監督をもってしても、同時多発テロのドラマの全てを描ききるのは難しかった。だから、実際に救助された2人とその家族を描くことに全精力を注ぎこんだんだろうか。家族との愛とか、他人の他の為に命を張る勇気とか……人間が持っている誇るべき部分を描いた作品なのだろうと思う。8割くらいは生き埋めになってる場面なので、そんなところををだらだら描いてんじゃねーよ、って思う人は最初から見ないほうがいい。たしかに、見るのに多少の忍耐を必要とする作品なのは認める。


おススメ度: 正直、人によって評価分かれるんじゃないだろうかと思った作品。焦点が狭すぎて肩透かしという人もいるだろうし、アメリカ人好みのお涙ちょうだいものと思った人もいるだろうし。この事件は、多くのアメリカ人にとって(あるいは日本人にとっても)、初めて経験する“戦争”が始まった瞬間だったのではないだろうか、と思う。何気ない日常の大切さを訴える感じの作品だったのかもしれないが、ベトナム戦争を舞台に多くの反戦映画を作ったオリバー・ストーン監督作品としては、もっと社会派ドラマとしてのメッセージを期待してしまっただけに、かなり良かったと思ったものの、おススメ度はにしている。




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