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歴史映画紹介


男たちの大和/YAMATO(2005年)


日本

監督:佐藤純彌

<キャスト>  森脇庄八:反町隆史  内田守:中村獅童  内田真貴子:鈴木京香  神尾克己:松山ケンイチ 他

2005年劇場公開(東映)



男たちの大和



【戦艦大和】 大日本帝国海軍が建造した史上最大の戦艦で、大和型戦艦の一号艦。1941年12月に就役し、1942年8月の同型艦『武蔵』の就役まで大日本帝国海軍の旗艦を務める。当時最高の技術を結集して生み出された戦艦だったが、すでに海上での戦闘は戦艦から航空機の時代に移りつつあり充分に活躍の場がないまま1945年4月7日、沖縄へと向かう航路上でアメリカ海軍と交戦、撃沈される。大鑑巨砲主義の象徴のように言われることもある。正式名称は『軍艦大和』。


実物の大和と同じスケールのロケセットでも話題となった2005年の歴史大作映画。終戦60周年を記念して製作されたこの作品、公称25億円の製作費をかけ、同年の邦画興行収入第1位を記録した作品。戦争経験者が次々といなくなってしまう中、戦争の悲劇を知っている彼らの声を映画に取り入れることができるチャンスは、それほど残っていない。


作品の中では下士官や末端の兵員の視点で描かれている。現代とは違う思想の中で生きてきた人たちの心情が描かれていると思う。物語の節々に……懲罰としての体罰の模様や、労働の担い手となる若者を取られて疲弊する漁村の姿や、精神論ばかりの指揮に対する不満が描かれていたり、決して戦争賛美の映画ではない。しかし、公開後、東映には戦争賛辞の映画だという非難が寄せられたという。もともと、佐藤監督は東映のなかでも反戦映画の担い手として知られた人なのだそうだが、当時の人々がどんな思いで戦ったのか、何を守りたかったのか、ということを考えながら描くと、こういう感じの映画になってしまうのかなあ……とも思う。「昔の人間は愚かだった」「軍部に踊らされたかわいそうな人たち」とばかりに当時の人たちの思想や信条を踏みにじってこれが反戦映画だ、と胸を張る一部の反戦映画の担い手より、はるかにまっとうな作り方をしていると感じる。


“敵”の姿が描かれていないことはちょっと気になる。大和が戦うのはCGで作られた航空機。甲板では血しぶきも飛びまくってるんだけど……。正直、何だかドラマとして弱い……という印象を受けた。物語が内田兵曹の娘に仲代達也演じる老いた神尾の思い出話を聞かせるという回想形式をとっているのが良くなかったのか、あの時代を描くのに145分では少なかったのか? 靖国とか天皇陛下万歳とかの言葉があまり出てこず、当時の死に臨む兵員たちのバックボーンが見えてこなかったからか。……大和が沈没する場面を見て思ったのは、この映画の主役はあくまで戦艦大和だったんだなぁって事。大和の圧倒的な存在感の前に、俳優陣の演技が埋没してしまった感じを受けた。


おススメ度: 戦艦大和の勇壮な姿は圧巻。逆にいえばそれ以上あんまり見るべきところもないように思う。戦艦大和だけで突っ走って、全体的に荒っぽい作品になってしまったような印象を受けた。おススメ度はにしている。




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