TURNING☆POINT〜世界史(西洋史)を舞台にした歴史映画・DVD紹介のサイト〜


カスタム検索


歴史映画紹介


禅 ZEN(2008年)


日本

監督:高橋伴明

<キャスト>   道元:中村勘太郎  おりん:内田有紀  北条時頼:藤原竜也  寂円・源公暁:テイ龍進  俊了:高良健吾 他

2009年劇場公開(角川映画)


日本は鎌倉時代。日本曹洞宗の開祖である道元禅師(1200年〜1253年)の生涯を描く。個人的にはかなりレベルの高い宗教映画だと感じたし、道元禅師の伝記物としても大変興味深く見た一本。正直、宗教団体の宣伝映画(もちろん、この作品はそういう趣旨の映画ではない)はどこか敬遠していたが、この作品は、じっくりと観てほしいと思った。

宋に渡った若い道元が、宋の高僧たちに失望を覚えながらも、不思議な縁に導かれ天童山景徳寺如浄禅師と出会い悟りを開く。帰国した道元を待っていたのは混迷する社会。迫害を受けながらも、宋から渡ってきた寂円などとともに、禅宗の普及に力を注ぐ。道元と出会った1人に、遊女のおりんがいた。我が子の死をきっかけに道元のもとに通うようになったおりんだったが、自分の中に仏がいるなどとても信じられない。しかし、道元の言葉を信じ、越前に大仏寺(現永平寺)を建立した道元を追ってくる。

道元禅師の亡くなるまでを描いているが、中村勘太郎さんの演技はさすが。道元もまた成長していく姿を丁寧に演じていて、大変好感が持てる。分かりにくい言葉はあったかもしれないが、「ただ、あるがままに」という言葉は、この映画そのものに関しても、言葉の意味を理解するのではなく、思うように感じるものという風に感じた。

おススメ度: 悟りを開いた道元は、真っすぐで迷いがない。時の執権、北条時頼が道元が無礼をはたらいたと刀を抜くと、覚悟の上と迷わず座禅を組む。しかし、自分自身が何百人の門弟を抱えるようになった時、かつて「学ぶべき者がいない」と言った宋の高僧たち同様、修業とは違う方向に自分の心が揺さぶられることが本当になかっただろうか。北条時頼が、広大な富士の裾野に「ここに立派な寺院を建立して、日本に禅を広める総本山とするがよい」と申し出たとき、何の葛藤もなかっただろうか。……自分のような凡人はそんなことを思ってしまう。道元禅師が崇高な人物であったことを疑う気はない。しかし、エンターテイメントの主人公としてみたとき、迷わない主人公はどこか魅力が半減してしまうような感じを受ける。そのような趣旨の映画ではないと思うが、おススメ度はとしている。



【道元禅師関係】