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歴史映画紹介


武士の献立(2013年)


日本

監督:朝原雄三

<キャスト>  舟木春:上戸彩  舟木安信:高良健吾  舟木伝内:西田敏行  今井佐代:成海璃子  今井定之進:柄本佑  お貞の方:夏川結衣  ナレーション:中村雅俊 他

2013年劇場公開(松竹)



『武士の献立』予告篇



【加賀騒動(大槻騒動)】最大級の外様大名である加賀百万石を舞台に起こった江戸三代お家騒動の一つ。中心人物だった大槻朝元の名を取り大槻騒動と呼ばれることもある。大槻は身分の低い生まれだったが、加賀藩の世継ぎだった前田吉徳に才覚を認められ重用された。1723年(享保8年)に吉徳が6代藩主となると、傾いた藩の財政を立て直すために倹約や新税などによる改革に乗り出した。大槻は体調の優れない吉徳に代わり改革に尽力し、一定の成果を挙げたものの、改革に対しては武士からも民衆からも不満が強いものだった。改革反対派の中心にいたのは年寄役の前田直弼などである。彼らは先代の綱紀の頃からの重臣で、大槻の掲げた政策やそれによって利権を奪われることに対する不満、異例の出世を遂げる大槻への嫉妬などが対立の原因だったと考えられる。それでも吉徳が生きている間は、あまり目立った動きは見せなかった改革反対派だったものの、1745年(延享2年)に吉徳は死去。これによって改革反対派が藩の実権を握り大槻は失脚する。翌年、大槻に蟄居、さらにその翌年には流刑が言い渡される。吉徳の跡を継いだ宗辰は藩主としてわずか1年、22歳でこの世を去る。そして8代藩主となった前田重煕を何者かが毒殺しようとする事件が起きる。この事件の首謀者は吉徳の側室・真如院(お貞の方)が自らの子を藩主に据えようとした謀略によるものとされ、さらに真如院が大槻と不義密通していたという疑惑まで浮上する。そんな騒動の最中、大槻は1748年(寛延元年)9月に自害して果て、翌年、真如院も没したため、真相は闇の中に消えたまま、騒動には幕が引かれた。浄瑠璃や小説などの題材に使われることも多く、江戸時代は藩の実権を握り我が子を藩主に据えようとする真如院・大槻朝元から、前田直弼らが藩を守り抜く勧善懲悪の内容として加賀騒動は語られた。しかし、研究が進んだ近年では、そのような一方的な見方は否定されている。


映画「武士の献立」は、加賀騒動の前後の加賀藩が舞台。加賀騒動そのものが描かれているわけではないが、その混乱の中、夫婦の絆を確かなものにしていく姿が描かれている。


主人公の春はお貞の方の侍女として可愛がられていた。特に料理の腕は一級品だったが、その気の強さから一度は商家に嫁に出たものの出戻った経緯があった。そんな折り、藩主・前田吉徳の前で開かれた宴席で、料理番の舟木伝内が「鶏もどき」を披露する。この料理の正体を当ててみよという吉徳に、春は簡単に正解を答えてしまう。その確かな味覚に驚いた伝内から、是非、息子の安信の嫁にと乞われた春。一度は断ったものの、その熱意に負けて4歳年下の安信と婚礼を執り行う。


舟木家は、包丁侍と揶揄され、身分は低いものの、殿様の料理係として時に他国や幕府の要人をもてなすための料理を考案する重要なお役目。しかし、安信は次男坊でありながら長男の死によって突然家督を継ぐことになったため、剣術の腕で身を立てることに未練を残していた。さらに、彼はいずれは結婚をと考えていた幼馴染の存在があったーー。


刀と幼馴染に心を残したまま役目に真摯に向き合うことができない安信と春が料理を通じて心を通わせていく様を、時にユーモアを交えながら、時に加賀藩を二分した血なまぐさい抗争の時代を交えながら描いていく。


おススメ度: かなり殺伐とした時代の割に、全体的にまったりした作品。上戸彩さん演じる春が、安信からは「古だぬき」などと呼ばれながら夫を育てていく献身的な姿が印象に残る。物語の中で、加賀騒動では春も安信も大切な存在を失った。そういうところをより強調すれば内容的にはもっとアクの強い作品にしようと思えばいくらでもできたはずだが、そうしなかったことで春の健気さだけがとかく胸に残った作品になり、それはそれで良かったのだろうと思う。逆に行えば、それ以外の部分であまり印象に残った部分はなく、平凡と言えば平凡な作品になってしまった感もある。おススメ度はCとしておく。




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