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歴史映画紹介


白虎隊(2007年)


日本

演出:橋本一

<キャスト>  酒井峰治(白虎隊士):山下智久  篠田儀三郎(白虎隊士):田中聖  伊東又八(白虎隊士):藤ヶ谷太輔  酒井しげ(峰治の母):薬師丸ひろ子   松平容保(会津藩主):東山紀之  照姫:和久井映見   浅井小夜子:黒木メイサ   飯沼貞吉(白虎隊士)崎本大海 他

TVM


【白虎隊】1868年(慶応4年/明治元年)の会津戦争は戊辰戦争最大の激戦の一つ。会津藩は幕末期は京都守護職にあり、京都では新撰組などを率いて志士たちを弾圧したこともあり、新政府の中で中核となった長州からは特に憎まれた。会津戦争において、会津は戦闘部隊を朱雀隊(18歳から35歳)、青龍隊(36歳から49歳)、白虎隊(16歳から17歳。白虎隊に加わるために年齢を偽った者もいたという)、玄武隊(50歳以上)と年齢別に分けて配備した。白虎隊はあくまで予備兵力だったが、会津戦争で新政府軍は、脇街道で手薄な母成峠に兵力集中して侵攻。侵攻ルートをすべてふさぐために兵力を分散していた会津藩は持ちこたえられず、白虎隊をも投入したが、あえなく敗れた。飯盛山で自刃した20名(1名が蘇生したので、死亡は19名)の悲劇はよく知られているところ。


このドラマは2007年にテレビ朝日系列で放送された正月時代劇。2夜連続、総時間5時間程度のドラマ。先日、どういう流れだったか、このドラマの話が出て(ちなみにこのドラマ自体はDVDで見たもので、話自体は見る前にあったもの)この時に知人が「このドラマを観てはじめて、白虎隊が飯盛山で全員自決したわけではないことを知った」と言っていた。実際、白虎隊は340名程度で構成され、飯盛山で奇跡的に蘇生した飯盛貞吉を含めて、多くが生き延び、明治の新時代を生きた。生き残った多くの隊員たちにとっても飯盛山で死んだ仲間を含めた会津戦争は大きな十字架だっただろう。


このドラマの主人公となっている酒井峰治は白虎隊精鋭の市中二番隊の隊士だった実在の人物。生きている間は元白虎隊士であることを語らなかったそうだが、1993年に手記が発見されたため有名になった。酒井峰治が主人公ということで、明治を生きた白虎隊というのも面白い企画だと思ったのだが、そういう要素はまったくなかった。会津に生まれ、独特の掟の中で生きる少年と家族たちの模様を描いた感動歴史ドラマとなっている。会津が舞台ということあり、京や江戸、そして会津戦争に至る経緯などは断片に語られるだけなので、そのあたりはわかりづらいかもしれない。


2000年以降くらいからだろうか。主に、太平洋戦争もので兵士は「兵士は国や家族や、何かを守るために命をかけたのではないか」というテーマの中で作られた映画が増えた気がする。単に嫌がるのを無理やり戦地に送り込まれた被害者ではないのではないかという流れも1つの時代の変化という気がするが、このドラマもその流れでテーマが作られているように見える。ただ、まず平和な現代に生きる若者の姿を描きながら、次に戦時を意識しながら生きる少年たちと家族の姿が描かれ、戦火の中で死ぬことを選んだ人間と生きることを選んだ人間の姿が描かれる。現代の平和を絶対至上のものととらえながら、最後は現代の感覚とはあわない親子関係、意識形成を強いられた被害者としての姿が印象に残った感じがする。


おススメ度:重要なのは『立派に死ぬこと』ではなく『生きてその勤めを果たすこと』こそ、というのが最後に浮き彫りにされるテーマだろうか。受け取り方の問題かもしれないが、主人公らのことを、誤った思想に殉じた可哀そうな人たちと最後は印象付けようとしている気がする。……テレビ朝日のドラマということで、色眼鏡で見すぎだろうか? おススメ度はにしている。




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