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歴史映画紹介


茶々 天涯の貴妃(おんな)(2007年)


日本

監督:橋本一

<キャスト>  茶々:和央ようか  小督:寺島しのぶ  はつ:富田靖子  千姫:谷村美月  豊臣秀頼:中林大樹  徳川家康:中村獅童  豊臣秀吉:渡部篤郎 他

2007年劇場公開(東映)


戦国時代末期。天下統一の夢半ばに倒れた織田信長の遺志を継ぎ、天下を統一して関白の地位を得て、名実ともに天下人となった豊臣秀吉。この『茶々 天涯の貴妃(おんな)』では、羽柴秀吉(豊臣秀吉)の側室であり、通称『淀殿』で知られる茶々を主人公に、時代に翻弄されながら生き抜く女の姿が描かれている。

茶々は、織田信長の妹のお市の方と戦国武将の浅井長政の3人の娘の長女である。お市の方は最初に嫁いだ浅井長政が織田信長によって滅ぼされたのち、織田家の重臣、柴田勝家と結婚する。しかし、信長の死後、織田家の家臣の中で後継者争いが繰り広げられ羽柴秀吉と柴田勝家が争い、羽柴秀吉が勝利した。お市の方は柴田勝家とともに自害して果てたが、3人の娘は城を出て落ち延びた。三女小督は徳川家康の息子、秀忠のもとに嫁ぎ、次女おはつも京極高次と結婚。そして茶々は、天下人となった羽柴秀吉からの求婚を受ける。父の仇敵である秀吉を憎み、殺意まで抱いたが、やがて両者の間には息子にも恵まれ、愛情も芽生え始める。しかし、長男鶴松の死をきっかけに両者は仲違いとなり、茶々は命すら危うくなる。それをとりなしたのは三女の小督だった。小督のとりなしによって両者の間には、秀頼が生まれる。ところが、秀吉の死後、次に最高権力者となった徳川家康は、秀頼をないがしろにし始める。両者の戦いは避けられなくなっていった。

正直な感想は……歴史劇を期待するなら観ないほうがよい、かと。絢爛豪華な時代劇ではあるが、歴史をあまりに端折りすぎに感じる。せめて、経緯や経過をある程度丁寧に描いて欲しかった。時代考証とか、実はあんまり気にしないほうだが、秀頼をまるで戦死したように描いていたり……。大阪城落城の場面も、派手さを強調するあまりに、ゴジラ映画を思わせるような崩壊のさせ方をして、歴史劇を期待していた自分としては思わず眉をひそめた。そのくせ、秀吉とのラブロマンスには髄分と時間を割いた印象を受ける。

正直、主演の和央ようかさんの演技もどうかと。元宝塚の男役で、一部では絶大な人気を誇っている方らしいが、映画の演技としては。茶々の子供時代を演じた菅野莉央さんはとてもよい演技だったと思ったが。ずっと鉄面皮で(秀吉を殺そうとする場面での形相は真に迫るものだったが)、戦国の女性というより現代の男っぽい女性という感じ。甲冑を着て颯爽とした茶々の姿は凛として格好よかったものの、巴御前やジャンヌ・ダルクと勘違いしているのじゃなかろうか。音楽とか衣装とかはよかったと思うのだが、……一体何が作りたいのか、何を見せたいのかよくわからない映画だった。

おススメ度: 歴史物として、う〜んと首をひねる出来。淀殿といえば、大阪城の最高権力者として君臨し、その頑迷さによって結果豊臣氏を滅ぼしたような印象を受けることがままある。そういったイメージを払拭したかったのかもしれないが、結果は……。シナリオ酷い。主演も酷い。せめて、新しい淀殿像を作ろうという意欲くらいは見せてほしかったと思う。おススメ度はにしている。




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