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歴史小話


歴史人名紹介:レオニダス王(?〜480)



レオニダス王は古代ギリシアの都市国家スパルタの王です。前480年のテルモピュレーの戦いでは、数十万のペルシアの大軍を相手に数百人の精鋭を率いて果敢に戦い、戦死しました。

ペルシア戦争はアケメネス朝ペルシアがギリシアを制圧するために侵攻し、古代ギリシアはポリスと呼ばれる都市国家が乱立しておりましたが、これら諸ポリスが結束し、ペルシアを撃退した戦争です。ペルシア戦争は紀元前500年にはじまり、第一次侵攻ではマラトンの戦い(前490年)でペルシアは敗走しました。この時のペルシアの王はダレイオス一世でした。前485年にダレイオス一世が崩御し、クスルクセスが王となると、前王の失敗を教訓に入念に準備を整え前480年に侵攻を開始します。

レオニダス王が主役の作品は「300<スリーハンドレッド>(2007年)」を紹介しています。レオニダス王を演じていたのはジェラルド・バトラー。無敵の超人兵士が戦うアクション作品でしたのであまり歴史ものっぽくはありませんでしたが。

レオニダスはスパルタの2王家の1つであるアギアス家の王でした。2人の兄がおりましたが、跡継ぎを残さずに早世したため、(異母)兄のクレオメネス1世の娘のゴルゴをめとっていたレオニダスに王の椅子が回ってきたのでした。

都市国家スパルタでは勇敢な兵士となるために幼少ころから勇敢な厳しい軍事訓練を受けていました。前480年4月にクセルクセス王は「土と水」を要求する使節をアテナイとスパルタを除くポリスに送ります。このため、ポリスの多くがペルシア側につき、ペルシアにつくことを拒否したポリスでは連合軍を結成し、ペルシアに対抗することを申し合わせます。

レオニダス王はデルポイの神託をうけましたが、その内容は「国が滅ぶか王が死ぬか」と出たとされます。レオニダス王はそれを聞いて覚悟をきめ、妻に「よき夫をもらってよき子を産むように」と言い残して戦場へ向かったとされます。

ペルシア軍が動き出した前480年8月。ギリシアではオリュンピュア祭が開催されている真っ只中たでした。さらにスパルタでもカルネイア祭が開かれていました。どちらもとても神聖な祭典でしたのでどのポリスも積極的に兵を動かすことはできませんでした。レオニダス王は精鋭300を引き連れ出陣。連合軍も、スパルタが兵を率いて動き出したのを見て兵を動かし最終的には7000の兵がテルモピュレーに集結しました。ここは隘路のため、ペルシアの大軍を食い止めることができました。

この戦闘の時、「あなたは戦闘にわずかな兵士か連れて行かないのか」と問われ、「全滅するには充分だ」と答えたとされます。連合軍の獅子奮迅の戦いと狭く大軍を活用できない地形のため、ペルシア軍は多大な損害を出します。3日間にわたる戦闘が続きましたが、やがてペルシアに内通者が現れ、連合軍は背後を突かれてしまいます。連合軍は撤退を決め、レオニダス王のもとには降伏を促す死者がきたとも伝えられます。その解答は「来りて取れ」でした。総攻撃が始まりレオニダス王は最後まで奮戦しますがついに戦死し、スパルタ軍も玉砕します。クセルクセス王はレオニダス王の首をはねるように命じ、さらしものとしました。

「旅人よ、スパルタ人に伝えよ。ここに掟を守って果てた我らが眠ることを」

後にスパルタ人と、ともに戦って全滅したテスピアイ人の討ち死にした兵の名を刻んだ獅子の像が、戦いのあった丘の上に作られました。この奮戦がギリシアにペルシア軍を撃退する時間を稼ぐことができたことから、後のギリシアでの評価は高く英雄信仰の対象とされました。

ところで、映画「300<スリーハンドレッド>」の中では、スパルタに降伏を迫るペルシアの使節をレオニダス王が深い穴の中に蹴り落とす場面が出てきますが、これはマラトンの戦いの前年に、ギリシアの諸ポリスにペルシアが降伏を促す使節をアテナイとスパルタは深い穴の中に放り込んでしまったことから来たものでしょう。このため、テルモピュレーの戦いの直前に降伏を促す使節はアテナイとスパルタには送られなかったとされます。