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歴史小話


歴史人名紹介:ロバート・ド・ブルース(1274〜1339)



「解放者」の異名も持つ、スコットランドの国民的英雄の一人です。スコットランド王家ともつながりのある名門に生まれましたが、長い間お尋ね物として放浪した経験もありながら、不屈の闘志でスコットランド王ロバート1世としてイングランドからの完全独立を果たし、スコットランドでは紙幣にまで描かれた人物です。

ブレイブハート(1995年)』では、アンガス・マクファーデンがこの役を演じています。ウィリアム・ウォレスが主人公の作品なので、ウォレスの死後、独立を果たすまでは描かれていませんが、この当時のスコットランド貴族たちの微妙な立場が描かれています。

ロバートは1296年にスコットランドを併合したエドワード1世に臣従を誓いました。1306年に、喧嘩になったスコットランド貴族を殺害してしまうという事件を教会の中で起こしてしまいます。ローマ教皇はこの一件でロバートを破門します。この時代、破門は死にも等しい重大事でしたが、逆にスコーンで戴冠し、自らスコットランド王を名乗ります。イングランド軍は、ロバートに軍事力で対抗し、メスヴェンで敗北したロバートは放浪生活を余儀なくされました。アイルランドまで逃げたロバートは、再びスコットランドに舞い戻りますが、そこは破門の身。過酷な逃亡劇を繰り広げ、この危機を乗り切ったのです。

1307年に、エドワード1世が逝去します。ロバートやウォレスの仇敵というべきこのイングランド王は、「スコットランド人を狙うハンマー」と称されるような圧政者でした。しかし、この後を継いだエドワード2世は、父王ほどの才覚を受け継いでおらず、スコットランド問題にもあまり関心を示しませんでした。そのことは、ロバートにとってラッキーだったといえます。

1308年にイングランドに従うバガン伯をインヴァルディーの戦いで破ったロバートは一連の解放闘争に乗り出します。1314年6月のバンノックバーンの戦いはロバート・ド・ブルースの軍事功績のうちで最たるものでした。アイルランド人やウェールズ人25000以上のイングランド軍は、わずか4分の1以下のロバート・ド・ブルースの軍に完膚なきまでに叩きのめされ大量の戦死者と捕虜を出し、エドワード2世は命からがら逃げ延びました。

イングランド勢力をスコットランドから一掃すると、ロバートを破門した宗教界も含めてロバートを支持するようになります。いくつかの戦果を挙げ、アイルランドやイングランド本国にまで攻め込んで見せたロバートに、ローマ教皇も破門を取り消します。そして、エドワード2世の後を継いだエドワード3世と和平交渉が締結され、スコットランド独立が果たされるのです。

その後しばらく平和を満喫していたロバートでしたが、1339年、ハンセン氏病で命を落とします。その後は、再び権力闘争が繰り広げられる混乱の時代が幕を開けるのです。