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歴史映画紹介


女帝 春日局(1990年)


日本

監督:中島貞夫

<キャスト>   おふく(春日局):十朱幸代  民部卿の局:名取裕子  おつめ:鳥越マリ   大姥局:草笛光子  本多正信:長門裕之  徳川家康:若山富三郎 他

1990年劇場公開(東映)


『女帝 春日局』では江戸時代初期に竹千代(後の徳川家光)の乳母、斎藤 福を主人公にしている。幕府の奥向きを取り仕切り、将軍の権威を背景に老中をも上回る権威を得て、朝廷から「春日局」の称号を賜った人物で、春日局の名はよく知られている。

福(春日局の称号を賜るのは寛永6年(1629年)のことで、『女帝 春日局』の舞台となっているのは大坂の陣(1615年)より前の話になる。)は、美濃の守護代を務めた名門斎藤氏の娘だったが、父・斎藤利三は明智光秀の重臣であり縁者でもあった。本能寺の変で織田信長を討った明智光秀だったが山崎の戦いで羽柴秀吉により敗走。斎藤利三もまた命を落とした。福の兄弟は落ち武者となり流浪の日々を送る運命となってしまった……とも言われる。福は女であったため、追及されずに母方の親類に当たる公家、三条西公国に引き取られ公家の教養を身につけ、小早川秀秋の家臣、稲葉正成の後妻となった。慶長9年(1604年)に竹千代の乳母として正式に任命された。

その出自は武家の名門であり、公家の教養を学んでいたとはいえ、謀反人の縁者を将軍の養育者に据えるというのは、現代から見れば奇異に映る……様な気がする。2代将軍秀忠の妻のお江与の方は、信長の姪であったわけだし。後のち確執を招きかねない人選という風にも思えてくる。そのため、福が家康の愛妾であったという説、家光が家康のご落胤だったという説などがまことしやかに出てくる。『女帝 春日局』では、これらの説を取り入れ、我が子を将軍にしようとする福の姿が描かれている。壮大な歴史ドラマ! 政争、政略の絡む女同士の苛烈な戦い。もちろんお色気シーンも忘れずに……みたいな昭和の時代劇。

とりあえず、観た感想としては……なかなか豪快……に描かれているなぁと。でも、大奥に君臨するためには何よりも腕っ節の強さが必要だったんだろうなぁ……とちょっと思ってしまう。

『女帝 春日局』で描かれる物語が事実の一部でも捉えているのなら最も割を食ったのは次男、国松(後の駿河大納言こと松平忠長)その人だっただろう。秀忠とお江与は病弱で内向的だった竹千代よりも容姿端麗で才気があり性格も利発だった国松のほうを寵愛していたという。映画の中でも国松と竹千代の間で跡目に揺れる江戸城の姿が描かれる。史実でも、福が家康に直訴して三大将軍継承権は竹千代にあることが宣言されたという説もある。駿遠甲の55万石の大大名となり、大納言に任官され御三家に匹敵する地位を得るものの、両者の確執は、秀忠の死後、幕命による忠長の自刃という形で決着することになる。

おススメ度: 昭和らしい時代劇という感じのする一本。タイトルには女帝となっているものの、権力亡者という印象は見えてこない。時折入ってくるお色気というか……そういう場面は興を削がれるだけだったように感じた。ストーリーも、個人的に権謀算術を用いてのし上がっていくようなストーリーのほうがすきなのだが、この映画の登場人物は荒っぽいというか腕力で物事をねじ伏せながら進んでいるような感がある。おススメ度はとしている。



【春日局関係】