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歴史映画紹介


松川事件(1961年)


日本

監督:山本薩夫

<キャスト>  小沢弘治  宇野重吉  宇津井健  永井智雄  北林谷栄 他

1961年劇場公開


【松川事件】 1949年(昭和24年)に福島県の国鉄東北本線松川駅・金谷川駅間でレールが外され、通過中だった青森発上野行き上り列車(C51形蒸気機関車牽引)が、脱線転覆する事件が起こった。乗務員3人が死亡するという重大事故であり、捜査当局は、この事件を当時の大量人員整理に反対していた、東芝松川工場労組、国鉄労働組合(国労)と日本共産党の共同謀議による犯行と断定し、犯人と目した労働組合関係者20人(東芝松川工場労組・国労各10人)に逮捕・起訴した。1審、2審では彼ら逮捕された労働組合関係者、共産党関係者らが事件に関与したと断定され、死刑を含む厳しい判決が出たが、検察側が共同謀議が全く架空のものであることを立証する証拠があることを故意に隠していたことが明らかとなり、最高裁は判決に仙台高裁に判決を差し戻した。

この映画が公開されたのは1961年2月のこと。映画は仙台高裁での2審の判決が出たところで終っているが、同年8月に最高裁から差し戻された仙台高裁の判決は全員の無罪の判断を下した。1963年9月に最高裁は検察側による再上告を棄却、被告人全員の無罪が確定した。

この映画の製作資金4,500万円は全てカンパで集められたという、ある種のプロパガンダ映画には違いないだろうが、今となっては、歴史の事実を知らせるいい資料でもあるように思う。

この映画は、実行犯として逮捕された19歳の少年赤間勝美に対する取り調べに始まり、1審、2審を通じて明かされる警察・検察の出鱈目な捜査と、裁判の姿が真摯に描かれている。この時代の裁判って、こんな風に進められてたんだ、とその裁判場面に驚くことも多く、時代を感じさせてくれる映画だ。

おススメ度: 事件の当時は日本はGHQの占領下にあり、労働運動が弾圧され、レッドバージ(日本共産党員およびそのシンパの公職からの追放)が横行していた時代。当時は映画の中で明確に語られることはないにせよ、事故発生当初からGHQや日本政府による陰謀論が囁かれていたらしい。この映画を観た感想は、あの当時と今とでは受ける印象は大きく変わるのだろう。時代背景を考えて観ないと何がなんやらの感はあるかもしれないが、おススメ度はにしている。



【松川事件について】