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歴史映画紹介


壬生義士伝(2002年)


日本

監督:滝田洋二郎

<キャスト>  吉村貫一郎:中井貴一  大野次郎右衛門:三宅裕司  しづ:夏川結衣  ぬい:中谷美紀  斎藤一:佐藤浩市 他

2003年劇場公開(松竹)



2002年CM 【松竹映画壬生義士伝】



【新撰組】  末期の京で反幕府勢力の取り締まりを行った、京都守護職指揮下の治安組織。文久3年(1862年)に将軍上洛に先駆け、将軍警護の名目で浪士たちを募ったのがその前身。その中心人物だった清川八郎が尊皇派と通じ浪士組を天皇配下の兵力に組み込もうとしている策謀が発覚し、急きょ江戸へ戻ることになった。その時、近藤勇、土方歳三を中心とする試衛館派と、芹沢鴨を中心とする水戸派らが、あくまでも将軍警護のために京に残ることを主張する。屯所のあった壬生村の名をとり、壬生浪士組として京都守護職の松平容保に過激派の浪士たちの取り締まりを命じられる。8月18日の政変に際しての目覚ましい活躍により「新撰組」を拝命。水戸派を排斥した試衛館派は池田屋事件で尊王攘夷派の蜂起を未然に防ぎ、禁門の変でも華々しい活躍を見せる。最盛期には隊士は200名を超え、幕臣にも取り立てられるが、時代の変流の中、鳥羽・伏見の戦いで敗北。その後も幕府軍として戦うが方針の違いから分裂。一部は江戸で、一部は会津、函館と転戦する。

『壬生義士伝』は浅田次郎の同名の小説を映画化。戦闘集団の中にあって、金に異様な執着を示す無名の隊士を中心に激動の時代とそこで生きた男たちを描く。

『壬生義士伝』の始まりは、初老の男が孫の病気を診察してもらいに小さな診療所を訪れるところから。初老の男はかつて新撰組でも屈指の剣士として怖れられた斎藤一だった。斎藤はそこで、懐かしい男の写真を見る。写真の男の名は吉村貫一郎。かつて斎藤が最も嫌った男だった。

吉村は南部出身の武士で剣腕に優れ、剣術指南にまで抜擢されるほどの腕前だったが、金に執着し隊では守銭奴などとあだ名されていた。剣に生きてきた斎藤にとって、吉村は唾棄するような男だったが、不思議と両者には相通じるようなものがあった。町医者は、かつての吉村の親友の息子であり、吉村がなぜ故郷を捨てなければならなかったか。しかし、残してきた家族を助けるために仕送りを続けてきた話を始める。

幕末、それ以前の南部の様子、現在(大正時代)と時代がくるくる入れ替わりながら物語が展開していく。前半は、いい時代劇になっていたと感じる。後半は、とにかく冗長。切腹までに時間をかけすぎ。泣いてくださいと言わんばかりの演出に少し興ざめ。

主演の中井貴一、佐藤浩市の演技は秀逸だった。家族のために金に固執し、剣はその手段でしかなかったはずの吉村は最後は大義に準じて命を落とす。侍であり父親である男の生き様を見事に演じていると感じた。ただ、老年に達した斎藤の場面では、佐藤にメイクで演じさせるのではなく、相応の年齢のしっかりした役者さんに演じてほしかったなという気はする。

斎藤一は、明治以後、藤田五郎とを変え内務省警視局(警視庁の前身)に登用され警視官(現在の警察官)として、新しい時代を守る役割を担った。西南戦争でも、警視官により編成された部隊で従軍。目覚ましい活躍を見せている。大正4年(1915年)に胃潰瘍で死去。死期を悟り、床の間に座ったままの大往生だったという。享年72歳。

おススメ度: 主演陣の演技にあまりおススメ度を低くしたくはないが、それでもおススメ度はかなと思う。2002年に新春時代劇で『壬生義士伝〜新選組でいちばん強かった男〜』の10時間にも及ぶ大作を観てから映画版のほうを観たのでちょっと削ぎすぎに感じたからかもしれないし、同じ時期に『たそがれ清兵衛』という同時期を扱った時代劇の名作が出てしまったことも、個人的にはおススメ度を下げる一因になってしまった。



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