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歴史映画紹介


南極物語(1983年)


日本

監督:蔵原惟繕

<キャスト>   潮田暁:高倉健  越智健二郎:渡瀬恒彦  小沢隊長(第一次越冬隊):岡田英次  北沢慶子:夏目雅子 他

1983年劇場公開(日本ヘラルド=東宝)


【タロ・ジロ】 1956年(昭和31年)に第一次南極越冬隊が様々な苦難を乗り越え1958年(昭和33年)に第二次越冬隊と交代を試みるものの悪天候のために断念。第一次越冬隊は、犬ぞり用の犬15頭を残しての撤退を余儀なくされた。15頭の犬を置き去りをしたことに国内外からも批判の声が殺到したという。しかしその一年後、南極大陸へと赴いた南極観測隊は、生存が絶望視されていたそり犬たちの中で、タロとジロの2頭が生き残っているのを確認する。


公開当時から大ヒットとなり当時の興行収入第1位(2009年9月現在第5位、実写としては第2位)という記録を樹立した作品だが、それだけこの事件に対する国民の興味が大きかったということだろうか。残念ながら、自分が物心つく前の作品だったので映画館で観ることはできず、先日DVDで観ただけだったのだが、確かにこの南極の映像を映画館のスクリーンで見られたら……と感じた。「CGなしで、よくこれだけの映像を」と感じる(もっとも、この作品の撮影のために犬たちが味わった苦痛を感じると何か釈然としないものを感じるが)素晴らしい映像と、犬たちの演技になっている。


ただ、個人的には、この作品最大の売りであろう、実際に南極でロケを行ったという南極の場面が、あまり意味のあるものには思えなかった。所詮、南極の犬たちの物語はフィクションにすぎないではないか、という感情を持ったせいかもしれない。この件に関しては描くべきは、自然の脅威とかそこで生き抜く犬たちの力強さより……ある意味、人間の傲慢さではないか。南極という極限の地すら征服できるという思い上がりのツケを15頭の犬たちが背負ってしまった。作中、高倉健演じる潮田が犬たちを殺して帰国しなかったことについて「彼らにも生きるチャンスを与えてやれたのだから結果としてはそれでよかったのではないか」という趣旨の台詞を発しているが、タロ・ジロがペンギンを捕食する所も確認されており、現代の感覚からいえば全てのそり犬が大陸で生き残れば生態系に重大なダメージを与えていた可能性があった、とも言える。あまり、この件を単純な美談として描くのは浅薄であると感じる。


おススメ度: 色んな意味で微妙かな……と思う。必死で生き抜く犬たちか、苦悩する人間たちか、どっちかに絞って描いたほうが、よりテーマは明確になったように思う。おススメ度はにしている。




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