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歴史映画紹介


鬼平犯科帳 劇場版(1995年)


日本

監督:小野田嘉幹

<キャスト>  長谷川平蔵:中村吉右衛門  荒神のお豊:岩下志麻  白子の菊右衛門:藤田まこと  沖源蔵:石橋蓮司  久栄:多岐川裕美 他

1995年劇場公開(松竹)


池波正太郎の時代小説の映画作品。これまでに何度もテレビドラマ化、舞台化されているが、この映画で主役の長谷川平蔵を演じるのは、1989年からテレビシリーズで同役を演じている二代目中村吉右衛門。1995年の映画版『鬼平犯科帳』の原作となっているのは「狐火」と「艶婦の毒」を基に、1995年7月からスタートした第6シーズンの直前から撮影された。

時代劇なので、歴史ものとも言いがたいが、主人公・長谷川平蔵も、長谷川平蔵が所属する火付盗賊改方も実在の人物、組織である。火付盗賊改方は、放火犯や盗賊のような凶悪犯に対応するために1995年(寛文5年)に「盗賊改」を1683年(天和3年)に「火付改」を設置した。廃止や上位組織が変わったり、さまざまな変遷を経て、「火付盗賊改方」として一本化された1718年(享保3年)のこと。町奉行所はあくまで捜査機関で、構成するのも行政官である役方だったため、本格的に武装した盗賊が相手では到底手に負えず、逃走する際に放火を行うことも多かったため、専門の対応組織が必要になっていた。火付盗賊改方は武官である番方で構成され、盗賊や放火犯を武力制圧できる捜査権のある武装組織だった。町奉行所など捜査機関が裁判権を持っていた江戸時代だが、火付盗賊改方は裁判権をほとんど認められていなかったとされる。武装組織だけあって、その取締りは苛烈を極め、恐れられていたという。そのためか、町奉行所の役人からは嫌われていたらしい。もっとも、捜査機関同士の確執などは現代でも普通に存在するものだが。

長谷川平蔵は1787年(天明7年)から1795年(寛政7年)まで火付盗賊改方の長として活躍した。平蔵は長谷川氏の当主が代々受け継ぐ名で、それを通称にしていたという。非常に優秀だったが幕閣に嫌われたためか出世はままならなかったらしい。しかし、迅速で人情味あふれる仕事振りから、市中の人たちには人気があったという。

映画のストーリーは「狐火の勇五郎」を名乗る盗賊が出現する。 押し入った先のものを皆殺しにする残虐な手口は、だったが、本物の「狐火の勇五郎」は人をあやめることのない盗賊のはずだった。 平蔵の密偵であるおまさは「狐火の勇五郎」こと勇五郎と恋仲にあった。そのため、勇五郎に問いただすと、勇五郎の腹違いの弟の文吉が勇五郎の名を語っていることが明らかになる。平蔵は、「狐火の勇五郎」一党を捕縛するが、その裏にはさらに糸を引くものの存在があった。

人情味ある鬼平像ばかりではなく、武装組織の長らしい、厳しい一面も強く描かれた時代劇。

おススメ度: 鬼平のような時代劇は嫌いではないが、この映画は2つの話を無理やりくっつけたような話で、1時間ドラマを連続で見させられたような気分になった。一本に絞ってもっと深く描いたほうがいい映画になったのにと思っている。おススメ度はにしている。


【鬼平犯科帳の世界】