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歴史映画紹介


憑神(2007年)


日本

監督:降旗康男

<キャスト>  別所彦四郎:妻夫木聡  別所イト:夏木マリ  別所左兵衛:佐々木蔵之介   別所千代:鈴木砂羽  おつや(死神):森迫永依 他

2007年劇場公開(東映)


幕末――武士の世が終わろうとしている時代を舞台に、貧乏神、疫病神、死神に憑かれてしまった男が侍として自らの生と死を見つめることで、大切なことに気づく姿を描く。浅田次郎原作。


主人公、別所彦四郎は将軍の影武者を務める家系に生まれ、将来を嘱望された逸材だった。しかし、あることで婿養子に行った先の妻とは離縁し、家を継いだ兄の所で居候をしている身。そんな折、昌平坂学問所のライバルだった榎本釜次郎(榎本武揚)と再会する。軍艦頭取にまで出世したという榎本釜次郎の出世の秘密は三囲稲荷に参拝したからだと聞いた彦四郎は、酔った勢いで転げ落ちた土手で三巡稲荷を発見。間違えて、そこで手を合わせてしまう。ところが、その結果、貧乏神、疫病神、死神に憑かれてしまう。


個人的には結構好きななかなか楽しい作品だったと思う。前半は割とコメディタッチだが、後半以降は、死神に取りつかれ、自分の死に方を探すようになる。正直なところ、最後まで笑わせてやろうというコメディにするか、シリアスな幕末ドラマにして欲しかったなあという気がする。期待以上の作品ではなかったが、軽い気持ちで観ることができるのでいいだろうと思う。ラストの現代の場面は正直余計。


ところで、幕末期の徳川慶喜はもっと年輩だと思いこんでいたので、妻夫木聡がそれと瓜二つだという設定は無理じゃないかと思っていたが、実際には徳川慶喜は1837年(天保8年)生まれと榎本釜次郎はたった一つ違い。徳川慶喜は慶応4年(1868年)1月の鳥羽・伏見の戦いで、幕府軍が劣勢となり朝敵となるや戦場で戦っている万を超える兵士を見捨てて大阪城から軍艦で江戸に逃げ帰り、その後は上野の寛永寺で恭順を貫き、維新後は困窮する旧幕臣を横目に趣味の写真だの自転車だのに没頭していたという。これらの行動は、幕末の幕府立て直しに奔走した実績を全て無にし、結果論かもしれないが日本の内戦を局地的なものにし列強の介入を防いだ事実を忘れさせた。「命は大切に」という言葉は真実だと思うが、酷く虚しく聞こえる。何事も、言う人と時かなと思う。


おススメ度: 最初と最後で趣が変わってしまった感じがあったが、最後に「武士道とは死ぬことと見つけたり」というようなテーマをもって来れたことですっきりしまった作品になったと思う。おススメ度はにしている。




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