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歴史映画紹介


劒岳〜点の記〜(2008年)


日本

監督:木村大作

<キャスト>  柴崎芳太郎:浅野忠信  宇治長次郎:香川照之  生田信:松田龍平  小島烏水:仲村トオル  古田盛作:役所広司  柴崎葉津よ:宮崎あおい 他

2009年劇場公開(東映)



劔岳



新田次郎の同名小説の映画化。明治後期、日本国内の地図の空白域を埋めるために命をかけて、前人未到の剱岳へと挑む陸軍測量部(現在の国土地理院)の測量師たちの命がけの任務を描く。明治後期に実際に行われた北アルプスの立山連峰の山岳測量をモデルに仲間たちとの絆、信念や誇りをもって生きることの素晴らしさなどを描いている。空撮やCGに頼らない、立山ガイド協会員の」支援のもと雄大な自然を撮り上げた見事な映像美や、測量官がたどったルートを通りながら「これは撮影ではなく行である」と監督が語ったという過酷な撮影を通して描かれたリアルな世界がニュースなどでも盛んに取り上げられており、個人的にもその通りだと感じた。映画館で観ることができて、ラッキーだったと感じた作品の一本。


実のところを言えば、監督の木村大作氏はカメラマンだし映画そのものとしてはあまり期待をしていない部分があった。しかし、主人公の測量官・柴崎芳太郎と地元の登山案内人・宇治長次郎との信頼と友情を中心に、ライバルの日本山岳会に初登頂の栄誉を奪われたくない若手の生田が様々な経験を通して仲間との信頼や自然の恐ろしさを知り謙虚さを身につけていったり、ライバルの日本山岳会の小島らが柴崎の真摯な姿勢に打たれ、彼らに敬意を払うようになる。そういった過程が丁寧に描かれ、最後の手旗の場面は感動的だった。


剱岳は北アルプス(飛騨山脈)の立山連峰にある標高2999メートルの山。日本百名山の一つに数えられる名峰で「日本で一般登山者が登るのが最も危険度の高い山」と称されるという。また、立山修験と呼ばれる山岳信仰の中で、信仰の対象としてあるいは畏怖の対象とされてきたという。弘法大師が千の草鞋を費やしても登れなかったという伝説なども作中語られる。そういった自然の厳しさとともに、人間の自然に対する畏敬も見事に盛り込み描いた作品になっていると感じた。


おススメ度: 原作は未読ではあるが、この映画は秀作。人間の誇りや自然への畏敬などを見事に表現した名作の域に入る作品だと思うので、一見の価値ある作品。おススメ度はにしている。




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