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歴史映画紹介


忠臣蔵 瑤泉院の陰謀(2006年)


日本

監督:重光亨彦  津島勝

<キャスト>  瑤泉院:稲森いずみ  大石内蔵助:北大路欣也  柳沢吉保:高橋英樹  浅野内匠頭:高嶋政伸  吉良上野介:江守徹 他

TVM


2007年1月2日にテレビ東京系で放送されたジェームズ三木脚本の時代劇。10時間という長い放映時間を生かして、他の忠臣蔵ものではあまり描かれない、討ち入り後から始まる事後処理などについてもかなり時間を取って描いている。


パッケージからもわかるとおり、忠臣蔵作品と言って思い浮かぶような重苦しいドラマではない。しかし、描き方はうまいなと個人的には感じた。この『忠臣蔵 瑤泉院の陰謀』においては、忠臣蔵の“悪役”である吉良上野介は、確かに好人物という印象は受けないものの、それほど悪辣な人間としては描かれていない。逆に、浅野内匠頭は、好人物として描きつつどこかに精神的疾患を抱えている描写がなされて、松の廊下事件はあくまでも浅野の“乱心”として描いている。


将軍、徳川綱吉は、朝廷からの勅使を迎える大切な日に起きたこの事件を重く見て、即日死罪を言い渡し、お家も取り潰しとなってしまう。浅野内匠頭の妻、阿久理(瑤泉院)は、事あるごとに吉良が悪者であったかのようなデマを市中に言いふらさせる。浅野家の所領、赤穂藩の残党とともに、お家再興の機会をうかがっていた城代家老の大石内蔵助は、瑤泉院や綱吉側近の柳沢吉保の政治的思惑もあり、吉良邸討ち入りをせざるを得ない状況に追い込まれていく。


瑤泉院の陰謀というよりも柳沢吉保の陰謀という印象が残る。タイトルほど、瑤泉院は積極的な“陰謀”を試みているわけではなく、市中に噂を撒き、金銭的な支援を行うなど、割と“現実的”な陰謀である。マザコン将軍の稚拙な事後処理と、柳沢吉保の政治的な意図が加わり、大石内蔵助は討ち入りという選択肢以外になくなっていく。吉良上野介は、浅野内匠頭に一方的に斬りかかられた“被害者”でしかなかったにもかかわらず、夜討ちをかけられ斬り殺される。特に誰を悪人と描いているわけではないのに、10時間しっかり描ききったのはさすがと思う。


おススメ度: “新しい”忠臣蔵はこれまでにも何度も試みられているがこのドラマもそのうちの一本に入れてもよいと思う。忠臣蔵好きの人から見れば「なんだこれは」と思うかもしれないが……個人的には結構お勧めの一本。おススメ度はにしている。




【原作】




【忠臣蔵関係】